9月9日、宜蘭で行われた巡視船「塔江」の落成式で台湾海軍の兵士たち(Photo by SAM YEH/AFP via Getty Images)

台湾自主製造「空母キラー」小型艦が就役 蔡政権、戦闘機や潜水艦の「メイドイン台湾」計画進める

台湾宜蘭市の蘇澳海軍基地では9日、沱江(だこう)級コルベット艦「塔江(とうえ)」1隻と高速水雷艇2隻の就役式典が行われた。中国共産党の武力を使った威嚇に直面する蔡英文総統は、強い軍事力の構築を政権の優先目標に掲げ、戦闘機や潜水艦、巡視船などを自主製造を進める。

塔江は排水量は685トン、最大速度が30ノット、航続距離約1800海里だ。 同艦は国家中山科学研究院が研究開発した最新の対空ミサイル「海剣2」を含む、対空・対艦ミサイルを備える。敵方レーダーに検知されにくいステルス性能を備え、奇襲に対する防御力、そしてミサイル搭載といった実戦用の強力な機能を持つことから、「空母キラー」と呼ばれる。

蔡英文氏は納入式典で演説し、台湾の造船計画の成功を讃えた。「どんな困難に遭遇しても、それを克服できることを証明している」と語った。実際に塔江に乗艦して、笑顔でガッツポーツを取るなど自主製造の力をアピールした。

▶ 続きを読む
関連記事
アメリカ軍は、中国共産党が2027年までに台湾への攻撃能力を確立しようとしているとの見解を持ち、それに対抗するために台湾周辺での軍事配置を強化している。
米比同盟は新たな局面を迎えている。4月22日に開始された「バリカタン」軍事演習は、アメリカとフィリピンの関係が過去最高の状態にあることを示すものだ。中国共産党による南シナ海での挑発的な行動に直面し、フィリピンはアメリカとの協力を強化し、国防力を高めるチャンスを得ている。
アメリカ合衆国インド太平洋軍のジョン・アクイリーノ司令官は、中国共産党が「茹でガエル」戦術を用いてインド太平洋地域での緊張を徐々に高めていると指摘している。
8日、エマニュエル駐日米国大使と山上前駐オーストラリア日本大使が、日米同盟の重要性を力説した。エマニュエル大使は、「新型コロナウイルス感染症」「ロシアのウクライナ侵攻」「中国の威圧的行動」という「3つのC」が世界を変えたと指摘。日米両国がこの2年間で70年来の政策を大きく転換したことに言及し、「日米同盟は新時代を迎えている」と強調した。
ロシアのウクライナ侵攻が続く中、中国とロシアの関係は益々緊密化している。中国共産党がイランや北朝鮮のようにロシアに直接致死性兵器を提供しているという明白は証拠は今のところないものの、欧米は中国共産党による戦時経済支援に対する懸念を強めている。