タリバンが国連総会での演説要請、報道担当を大使に指名
[国連 21日 ロイター] – アフガニスタンを制圧したイスラム主義組織タリバンは国連のグテレス事務総長に20日付で書簡を送り、今週の国連総会での演説機会を求め、アフガン国連大使にカタールの首都ドーハを拠点にするシャヒーン報道担当を指名すると表明した。ロイターが21日に書簡を確認した。
タリバン暫定政権で外相を務めるアミール・カーン・ムタキ氏が書簡を作成。27日まで各国首脳が参加し、一般討論演説などを行う「ハイレベルウィーク」で登壇を求めた。
ハック国連事務総長報道官はムタキ氏から書簡を受け取ったと確認した。タリバンはアフガン政府を代表してきたイサクザイ国連大使とシャヒーン氏を交代させる構えだ。
ハック氏は、米国や中国、ロシアなどの代表9人で構成する信任状委員会がタリバンからのアフガン国連大使申請を検討すると説明。ただ、27日までに同委がこの問題で会合を開く可能性は低いため、タリバン暫定政権の外相が国連総会で演説する公算は小さい。
ただ、タリバンの代表が国連大使として最終的に認められれば、国際社会から政権承認を得る上で重要な一歩となる。
グテレス事務総長はこれまで、国際社会はタリバンが政権承認を求めている状況を活用し、包摂的で女性などの権利を尊重する政権の樹立を求めることができると訴えてきた。
ハック氏によると、タリバンの書簡にはイサクザイ国連大使の任務は「既に終了したと見なされており、もはやアフガニスタンの代表ではない」と記されていたという。
ただ、国連総会のルールによると、イサクザイ氏は信任状委員会が決定を下すまで国連大使の職にとどまる。同氏は一般討論演説最終日の27日に演説が予定されているが、タリバンの書簡を受けて反対する国が出るかどうかは現時点で不明。
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