英国の主要都市では27日、最大9割のガソリンスタンドで燃料在庫が底をついた。トラック運転手の不足により、製油所からの燃料輸送が困難になっている中で、パニック買いが起きているためだ。ガソリン切れのスタンド、ロンドンで26日撮影。(2021年 ロイター/Paul Childs)

英主要都市、最大9割のガソリンスタンド在庫切れ パニック買い

[ロンドン 27日 ロイター] – 英国の主要都市では27日、最大9割のガソリンスタンドで燃料在庫が底をついた。トラック運転手の不足により、製油所からの燃料輸送が困難になっている中で、パニック買いが起きているためだ。

小売り企業は英経済が大打撃を被りかねないと警鐘を鳴らしている。

英国では新型コロナウイルスの感染拡大で、食品、燃料などのサプライチェーンが混乱。欧州連合(EU)離脱後のタンクローリー運転手の不足も重なり、クリスマスに向けて物流の混乱や物価の上昇が広がるとの懸念が浮上している。

政府は国民にパニック買いを控えるよう呼び掛けているが、全国のガソリンスタンドには26日、長蛇の列ができた。多くのガソリンスタンドは閉鎖を余儀なくされ、27日に販売できる燃料はないとの張り紙を出している。

ガソリン小売協会(PRA)は、一部の地域で50-90%のガソリンスタンドが在庫切れの状態に陥っていると表明。

タイムズ紙とフィナンシャル・タイムズ紙(FT)によると、政府は軍を投入して消費者に燃料を供給することを検討している。

ただ、運送業者、ガソリンスタンド、小売り業者は、10万人前後と推定されるトラック運転手の不足を直ちに解消する手立てはないと指摘。燃料輸送には追加の研修と免許が必要になる。

英小売り業界は24日、10日以内にトラック運転手不足の緩和に動かなければ、クリスマスに向けて大規模な混乱は避けられないと政府に警告。

スーパー、食品加工業者、農家は数カ月前から重量物運搬車両の運転手不足で、サプライチェーンが限界に達しており、商品棚にモノを届けられないと訴えてきた。

クワルテング・ビジネス相は競争法の運用を一時的に停止。関係各社が情報を共有し、協力して対応できる態勢を打ち出した。政府は26日、外国人のトラック運転手5000人に短期の入国ビザ(査証)を発行する計画を発表した。

関連記事
米国防総省は年次の中共軍事力報告書を発表した。この報告書によると、中共は台湾に対する圧力行動を強化しており、頻繁に行われるグレーゾーン作戦が逆効果をもたらす可能性があると指摘している。報告書では中共軍の高官による汚職問題にも触れている。
中国共産党(中共)の米国における代理人が次々と逮捕。起訴状の公開により、さらなる詳細が明らかになっており、各界から国際社会に対し、中共の浸透に対する警戒を強化し、人権侵害行為に対する制裁を強化するよう呼びかけられている
12月20日、米国務省の外交団がシリアに到着した。バッシャール・アサド政権崩壊後、ワシントン高官がダマスカスを公式訪問するのは初めてとなる。
10年前、中共は「中国製造2025」計画を掲げハイテク製造業強国を目指した。しかし現在、中共は知的財産権侵害や不公正競争の指摘を受けている。EVや高速鉄道で進展も、核心的な技術は不十分だ。
英国のフィリップソン教育相は、中国による高等教育機関への影響について警戒を呼びかけている。庶民院での議論では、中国が公的機関や企業、大学にまで浸透している実態が指摘された。