米大統領、G20のエネルギー産出国に増産要請

[ローマ 30日 ロイター] – バイデン米大統領は30日、余剰生産能力がある20カ国・地域(G20)の主要エネルギー産出国に対し、世界経済の回復を促すため、増産を求めた。

石油輸出国機構(OPEC)プラスに増産を求める広範な対策の一環。

原油・天然ガス価格は値上がりしているが、ロシアやサウジアラビアなど一部のエネルギー産出国の増産では、エネルギー消費国の需要に対応できていない。消費国の間には、エネルギー不足とインフレに対する懸念が広がっている。

マクロン仏大統領も、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)とのインタビューで、同様の懸念を示し、新型コロナ流行後の世界経済の回復の腰折れを防ぐため、G20サミットで、より良い「価格の見通しと安定」を後押しする必要があると訴えた。

米政府高官は、G20のセッション終了後、記者団に対し、OPECプラスがさらなる措置を講じない場合、エネルギー消費国に何ができるか協議を開始したと発言。

「OPECプラスが増産を強化しない場合、この状況に対応するどのような手段があるのかを考えるため、パートナーと私的に協議できなければならない」と述べた。

別の米政府高官は「世界経済は微妙な時期にある。重要なのは、世界のエネルギー供給が、世界のエネルギー需要に歩調を合わせることだ」と指摘。「余剰能力がある主要エネルギー生産国が存在しており、世界全体のより力強い、より持続可能な回復を確実にするため、余剰能力の活用を促していく」と述べた。

同高官は、G20首脳がOPECを標的にすることや、エネルギー生産の目標を設定することはないと述べた。

ロシアのプーチン大統領は、ローマで開催されたG20サミットへの対面出席を見送った。

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