2021年10月、ハワイで実施された統合太平洋多国籍即応センターの訓練で敵軍を走査するインドネシア国軍兵士(カーリー・ロペス(CARLIE LOPEZ)三等軍曹/米国陸軍)

インド太平洋の米軍同盟諸国 現実的な環境で模擬訓練を実施

戦闘と任務の訓練に関しては、行う模擬演習がより現実的であるほど、戦場で課題や選択肢に直面した際の兵士の即応能力を高めることができる。同概念に従い、米国陸軍の統合太平洋多国籍即応センター(JPMRC/Joint Pacific Multinational Readiness Center)は軍隊の展開準備方法を変更し、インド太平洋の同盟・提携諸国の軍隊と米軍との合同演習から得られた教訓を共有する方法を改めることになった。 

こうした経緯を経て、統合太平洋多国籍即応センターと第25歩兵師団は作戦環境を十分に活用する能力の開発を目的として、初めてハワイ諸島において戦闘訓練センターの定期演習を実施した。同地理環境は密林地帯、群島、高地を含め、米軍や他のインド太平洋諸国の軍隊が地域一帯で直面する環境に類似しているためである。初回の演習にはインドネシアとタイも参加した。 

統合太平洋多国籍即応センターを率いるジェームズ・アンダーソン(James Anderson)少佐は、「これは異なる考え方であり、行動様式も異なる。これまで多くの関係者が、太平洋という戦域における将来的な戦闘訓練センターの必要性について訴えてきた。そして今、この必要性を満たすことができた。つまり未来はすでに来ているのである」とした。

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