若さを保つ神秘の栄養素「ポリフェノールは毎日摂りましょう」

あなたの若さを保つ「神秘の栄養素」。それは強い抗酸化力があるポリフェノールです。毎日の食事のなかで、ポリフェノールを摂取する方法を3つ、ご紹介しましょう。

ポリフェノールの種類は「なんと5000種類以上」

ポリフェノールは機能性成分の一つで、多くの植物に存在する色素、苦味、渋み成分の化合物の総称です。なんと5000種類以上もあると言われるポリフェノールは、色素成分の「フラボノイド」と、色素以外の成分の「フェノール酸」に分けられます。多くの種類はフラボノイド類に属します。

どちらも活性酸素を除去する抗酸化作用があり、若さを保つ優れた成分です。
こうしたポリフェノールには、それぞれの種類によって殺菌作用、女性ホルモン促進、視力の改善、アレルギーの抑制、血液循環の促進、肝機能の強化など、独特の働きもあります。

ポリフェノールを補充するステップ1:毎日少しずつ摂取する

ポリフェノールは水に溶けやすいために腸内で吸収されやすく、摂取して約30分後には体内で抗酸化作用を発揮し始めます。

ところが、一度に大量摂取しても体内にはほとんど貯蔵されず排泄されるため、2~3時間しか効果が持続しないのです。

そのため少量ずつ、毎日の食事のなかで摂取することが大切です。
 

ポリフェノールを補充するステップ2:「いろいろな色の野菜」を毎日食べる

ポリフェノールは植物の光合成によって作られる成分であるため、ほとんどの野菜の葉や茎などにあります。色素成分ではないフェノール酸に比べて、色素成分であるフラボノイド類のポリフェノールの種類は非常に多く、数千種類が確認されています。

それぞれの機能は異なりますが、強い抗酸化作用を持っているのが特徴です。毛細血管の浸透性を高めて血圧を安定させたり、高血糖になりにくくするなど、ポリフェノールは体に多くの良い効果をもたらすのです。

近年は、サプリメントの広告でよく目にしますが、赤や青の色素成分の「アントシアニン」はブルーベリーやブドウなどに豊富に含まれています。目に良いとされ、視覚機能の向上が期待できます。

無色または淡黄色の色素成分である「イソフラボン」は、大豆の胚芽部分に含まれています。女性ホルモンの一つであるエストロゲンと似たような働きをするため、更年期障害や骨粗しょう症の予防には欠かせません。

緑、赤、青、黄、紫などの色鮮やかな野菜や果物が食卓に並べば、私たちの食事はもっとカラフルになります。毎日きれいな彩りの野菜を食べることで、自然と多くのポリフェノールが摂れます。

美しい彩りの野菜を毎日食べると、自然とポリフェノールを摂取することができます。(Shutterstock)

含まれる野菜から分類したポリフェノールの種類は、次の通りです。

ケルセチン:タマネギ、ほうれん草、ブロッコリーなどに含まれる淡黄色の成分。コレステロールの酸化防止、心臓病の予防などに効果があります。

ルチン:柑橘類および蕎麦に含まれる淡黄色の成分。毛細血管を強化する働きがあり、心臓病、動脈硬化、高血圧などを予防できます。

イソフラボン:無色または淡黄色の色素成分で女性ホルモンであるエストロゲンに似た作用があります。大豆および大豆製品に豊富に含まれます。

デルフィニジン:ナス皮に含まれるアントシアニン類の紫色の色素。強い抗酸化力をもち、眼精疲労の緩和や動脈硬化の予防などに役立ちます。

テアフラビン:紅茶の発酵過程で形成されるオレンジ色の成分。抗菌、抗ウイルス、高血圧抑制などの効用を有します。

クルクミン:ウコンおよびマスタードに含まれる黄色の色素成分。肝機能を強化し、肝炎や肝機能障害の改善に効果があります。

アントシアニン:黒ナツメ、ブルーベリーおよび柿などに含まれる赤または青色素の成分。血行改善や視力回復などの効果があります。

ポリフェノールを補充するステップ3:渋味や苦味のある野菜や果実を選ぶ

お茶やコーヒーなどに特有の苦みや渋みは、これもポリフェノールです。

緑茶を淹れるときに現れる薄い黄色は「カテキン」の色ですし、ティーカップや急須に残しておくと落ちにくいシミのもとにもなります。

紅茶は、茶葉を発酵させたもので、カテキンが分子量の大きな「タンニン」に結合することで、強力な抗酸化作用があります。

コーヒーの苦味成分である「クロロゲン酸」は胃酸分泌を促進します。ココアは「カカオポリフェノール」が入っていることで話題になりましたが、お茶やお好みの飲み物で休憩しながらポリフェノールを補充できるのは、嬉しいことですね。

柑橘類に含まれる苦味成分は毛細血管を強化し、血中脂質(主としてコレステロールと中性脂肪)および血液循環の改善、さらには抗アレルギーにも効果的です。

ポリフェノールは、野菜や果物の表皮に豊富に含まれています。古くから「果物の栄養は皮と果肉の間にある」と言われてきましたが、まさにその通りです。皮ごと食べられる果物は、よく洗ってからそのまま食べてください。苦味や渋味などの成分は「大豆サポニン」と「ジンセノサイド」です。

柑橘類の果皮には豊富なピリン、ナリンゲニンが含まれています。(Shutterstock)
 

特徴的な味から分類したポリフェノールの種類は、以下の通りです。

ヘスペリジン、ナリンゲニン:グレープフルーツなどの柑橘類の果皮に豊富な苦味成分。毛細血管を強化して血液循環を改善するとともに、がん抑制などの作用も有します。ミカンやトマトにもナリンゲニンが含まれています。

カカオポリフェノール:チョコレートやカカオ豆に含まれます。ピロリ菌や病原性大腸菌の増殖を抑え、虫歯を予防するとともに、ストレスを軽減する効果があります。

カテキン:緑茶で最も多く、番茶、紅茶、ウーロン茶などにも含まれる茶の渋み成分です。血圧上昇の抑制、抗がん、殺菌、抗アレルギーなどの作用を有します。

クロロゲン酸、コーヒー酸:コーヒー特有の香りと色彩の成分です。クロロゲン酸は焙煎によってコーヒー酸に分解されます。肝臓がん、肝硬変などを予防できます。

ジンゲロール:ショウガの辛味成分であるジンゲロールは、加熱するとジンゲロールになります。鎮痛、抗菌および血液循環を促進する作用を有します。

大豆サポニン:大豆および大豆製品が含有する苦味および渋味などの成分。強力な抗酸化作用を有し、肝機能を改善し、免疫力を向上させることができます。

その他のサポニン:高麗ニンジン以外に、アスパラガス、ほうれん草、ウーロン茶などにも含まれています。免疫力を高めて、がんを予防する効果があります。

(翻訳編集・鳥飼聡)