米国航空宇宙局(NASA)は15日、宇宙探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」が初めて太陽の上層大気であるコロナに到達したと発表。コロナ周囲の粒子と磁場を採集した。NASAはこの出来事を「史上初、宇宙船が太陽に触れた」と表現した。
NASAの科学者は14日、米国地球物理学連合の会合でこの研究成果を公表した。この宇宙探査機は4月、8回目の接近観測(太陽表面から約1300万キロ地点)で5時間もの間コロナを通過していたが、データの確認には数カ月間を要したという。
NASAによると宇宙探査機は先月、太陽に10回目の接近を行い、最高速度が秒速101マイル(163キロメートル)、つまり時速3万64621マイル(58万6000キロメートル)に達した。
パーカー・ソーラー・プルーブは、太陽フレアなど「宇宙天気」の発生、それによって人工衛星の運用や宇宙飛行士の安全、オーロラなどに影響を与える仕組みを調査するために2018年に打ち上げられた。1400度の高熱に耐えられることのできるこの探査機は来年1月に再びコロナを通過する予定。2025年の最終的な軌道まで太陽の接近観測を続ける。
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