トンガ火山噴火、離島に壊滅的な被害 死者増加の恐れ
[シドニー/ウェリントン 18日 ロイター] – 15日に海底火山の大規模噴火が起きた南太平洋の島国トンガの被害状況が徐々に明らかになっている。18日には、本島であるトンガタプ島の西岸や離島が深刻な津波被害を受けたことが分かった。
だが、大量の火山灰で空港が使えない上、海底ケーブルが損傷して通信が依然途絶えており、国際社会による救援活動は進んでいない。
トンガの外交官によると、離島が壊滅的な被害を受けており、死傷者が増える恐れがある。ニュージーランド国防軍の偵察機の画像によると、マンゴ島は村全体が壊滅状態にあり、アタタ島でも多くの建物が倒壊しているという。
同外交官は「人々はパニックに陥り、逃げまどい、負傷している。死者がさらに増える可能性がある。そうならないことを祈る」と述べた。
トンガの警察がニュージーランド高等弁務官事務所に明らかにしたところによると、死者2人が確認されているが、通信網が遮断されているため、被害の全容は不明。
国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、トンガ海軍は、マンゴ島があるハーパイ諸島が推定5─10メートルの津波に襲われたと報告した。
アタタ島とマンゴ島は、海底火山フンガトンガ・フンガハーパイからそれぞれ約50キロ、70キロの地点に位置する。アタタ島の人口は約100人、マンゴ島の人口は約50人。
ニュージーランド高等弁務官事務所は、本島全体が厚い火山灰で覆われており、多くのリゾート施設がある本島西岸沿いと首都ヌクアロファの沿岸部でも被害が確認されたと明らかにした。その上で、小さな離島との通信回復に優先的に取り組んでいるとした。
現地ではインターネットや電話の回線がほぼ不通となり、一部地域は孤立状態にある。
オーストラリアのセセルジャ太平洋担当相は、トンガ政府は深刻な津波被害を受けた離島の住民の避難を計画していると説明。トンガへの支援物資の供給が現在の優先課題だが、空港にまだ大量の火山灰が積もっていることがそれを困難にしていると語った。その上で、19日までには空港が使えるようになる見通しだとした。