米国のサリバン駐ロシア大使は26日、モスクワのロシア外務省を訪れ、ロシアが要請している安全保障に関する米政府の回答を文書で提出した。ロシア外務省が明らかにした。写真はサリバン駐ロシア大使(2022年 ロイター/Maxim Shemetov)

米、安全保障巡りロシアに文書で回答 国務長官「真剣な外交の道筋」明示

[モスクワ/ワシントン 26日 ロイター] – 米国のサリバン駐ロシア大使は26日、モスクワのロシア外務省を訪れ、ロシアが要請している安全保障に関する米政府の回答を文書で提出した。ロシア外務省が明らかにした。

ロシア通信(RIA)によると、サリバン大使は26日夕に外務省に到着。約30分後に退出した。

ブリンケン米国務長官は26日、記者団に対し、安全保障に関する回答文書をロシアに提示したと確認した。その上で、米国側の回答はロシアが選択した場合に真剣な外交の道筋を明示し、ロシアが提起した懸念を原則的かつ現実的に精査していると明らかにした。米国がロシアとの対話にオープンとも述べた。

ただ、どのように反応するかはロシア次第とし、米国もまたどちらの方向にも動く用意があると警告。近くロシアのラブロフ外相とフォローアップのための協議が行われるとの見通しを示した。

また、米国はロシアに回答するに当たり、ウクライナのほか、欧州の同盟国と完全に見解を調整したと表明。北大西洋条約機構(NATO)の「オープンドア」政策に関する米国の見解に変更はないと述べた。

NATOのストルテンベルグ事務総長も、ロシアの安全保障の要請について書面で回答したと表明。ブリュッセルで記者団に対し「ロシアに対し直ちに緊張を緩和させるよう改めて呼び掛ける。NATOは見解の相違は対話と外交を通して解決しなければならないと固く信じていると述べた。

関連記事
ミャンマーの詐欺団地で、多国籍の被害者が監禁される事件が続出。俳優・王星氏の救出劇や詐欺グループの手口が明らかに。広がる国際的被害と課題に迫る。
ラブロフ外相は14日、日本がロシアとの平和条約締結に向けた対話再開の用意があることをロシアは感じているとしたが、日本のこのような姿勢は、ウクライナ戦争をめぐるロシアに対する制裁を維持する日本の姿勢と矛盾していると述べた
韓国在職中の大統領が公捜処に逮捕される憲政史上初の事態が発生。不当捜査を訴える尹氏の声明や、公捜処の取り調べ体制の課題に注目が集まっている。
オーストラリア政府が2億豪ドルを投資し、国内初の希土類処理施設を開発。雇用創出やサプライチェーン強化に注力し、世界需要の4%を担う計画。
公安部に所属する内部告発者が中共の法輪功迫害の内幕を暴露した。告発者によると中共が海外で執拗に法輪功学習者に対する攻撃を行う理由は表面的なものにとどまらず、深い理由があるという