EU・中国の貿易摩擦、豪がWTO協議に参加要請へ

[メルボルン 29日 ロイター] – オーストラリアのテハン貿易相は29日、中国がリトアニアに差別的な貿易措置を取ったとして欧州連合(EU)が世界貿易機関(WTO)に提訴した問題について、「豪州はこの問題に大きな関心があり、協議への参加を要請する」と発表した。

EUの欧州委員会は27日、加盟国のリトアニアに対して中国が貿易面で差別的措置を取り、EU単一市場の保全を脅かしているとしてWTOに提訴したと発表した。

リトアニアは、台湾の事実上の大使館となる代表機関を昨年11月に開設。名称も欧州に置く代表機関で初めて「台北」ではなく「台湾」の表記の採用を認めた。

これに対して台湾を自国領土の一部と主張する中国は猛反発し、リトアニアとの通商関係を断つよう企業に働き掛けるなどして圧力を強めている。

オーストラリアと中国の関係は、豪政府が新型コロナウイルスの発生源を巡り独立した調査を求めたことや、中国の通信機器大手ファーウェイ(華為技術)を次世代通信規格「5G」ネットワークから排除したことを受けて悪化した。

中国は、閣僚レベルの協議を凍結し、豪州産の石炭や牛肉、大麦、ワインなどに関税を導入。豪政府は中国が導入した大麦とワインに対する高率の関税を不当としてWTOに提訴している。

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