コリアンダーは重金属を体外に排出し、独特の風味があり、漢方薬にもなっています。 (Shutterstock)

優れたデトックス効果 パクチーは重金属を除去する天然の解毒剤

コリアンダーに関しては、好きな人、苦手な人と反応が非常にはっきり分かれています。おいしい匂いがするという人もいれば、虫の匂いがして、食べたコリアンダーのかけらを吐き出したくなるという人もいます。しかしコリアンダーには、重金属を体外に排出するデトックス作用があることをご存知ですか?

チャイニーズパセリとも呼ばれるコリアンダーの起源は非常に古く、聖書にはコリアンダーの種は天からの贈り物として記されています。

中世ヨーロッパでは、肉の生臭さを消すためにコリアンダーの葉や種を使うことが一般的で、現在でもワインや肉にコリアンダーの種を加えて香り付けをすることがあります。アジア人は、ライスヌードルなどの麺類、ケバブなど、料理やおつまみにコリアンダーの葉を入れることを好みます。

コリアンダーは、肝臓を保護するビタミンKを豊富に含んでいます。コリアンダーのビタミンK含有量は驚異的で、100gあたり310マイクログラムと1日の必要量の3倍も含まれています。ビタミンKの十分な摂取は、創傷治癒、肝臓の健康維持に役立ちます。

コリアンダーには、ビタミンA(42%)、C(33%)、B群が多く含まれ、ミネラルではマンガン(20%)、鉄(14%)、カリウム(11%)、カルシウム、マグネシウム、リン、亜鉛が豊富に含まれています。

 

コリアンダーはビタミンKなどの栄養成分が豊富で、アジアの人々はコリアンダーの葉で料理やお菓子の味付けをすることを好みます。 (Shutterstock)

コリアンダーは、漢の時代に張騫が西域使節として中国に持ち込んだといわれるように、漢方薬として長い歴史を持っています。 

「本草綱目」によると、「コリアンダーは、香りがよく、すべての不健康な気を追い払うことができる」と書いてあります。

「コリアンダーの特別な香りは、腸内の寄生虫を麻痺させて追い出すとともに、胃の神経を刺激して消化を助け、食欲を増進させる」と漢方医の溫嬪容氏も言っています。 

コリアンダーの種は辛く、身体を温める性質があり、中国の漢方医は歯痛、下痢、胃が冷えて痛む際の治療に用いてきました。米国では、コリアンダーの種が特定の薬に伴う吐き気や嘔吐の副作用を解消するとして、公式薬局方(医薬品の規格基準書)にも記載されています。

コリアンダーは重金属を体外に排出する天然の解毒剤

 

コリアンダーは、体内の重金属を排出する働きがあります。日本の藤崎研究所は、コリアンダーが重金属である鉛の体内沈着を抑制することを発見しました。これは、コリアンダーのある成分が重金属を取り込んで体外に排出する作用があるためです。

予防医学の医師であるロブサン・ガツェン氏は、コリアンダーを定期的に食べることで心臓、肝臓、肺、腎臓、消化管から有害な重金属が取り除かれ、天然の解毒剤になると考えています。ただし、葉を1枚、2枚食べただけでは効果がなく、新鮮なコリアンダーを1~2株ずつ食べるのが効果的だと強調しています。

 

コリアンダーは、体内の重金属を排出するため、天然のデトックス効果があります。 (Shutterstock)

ネット上では、「コリアンダーのジュース」を飲むとデトックス効果があるという噂が飛び交っています。

「Health Magazine」によると、林口長庚臨床毒物研究所の看護師である譚敦慈氏は、コリアンダーはほとんどが窒素肥料で栽培されているため、硝酸塩とカリウムイオンが多く含まれており、コリアンダージュースを作ることは推奨せず、食べる前に煮沸すると良いと指摘しています。

また、コリアンダーの生ジュースは精油を多く含み、辛味が強いため、神経に不快感を与え、飲み込みにくいと溫嬪容博士は述べています。ジュースにする場合は、パイナップルやリンゴ、レモンなどの果汁と一緒に飲むとよいでしょう。

なぜ、コリアンダーの味を嫌う人がいるのでしょうか?

コリアンダーを好む人、嫌う人と分かれますが、なぜでしょうか?ある研究によって、コリアンダーを好むかどうかは、体内の特定の遺伝子と関係している可能性があることが明らかになっています。一部の人は、遺伝的にコリアンダーの匂いに非常に敏感で、石鹸やミミズのような味に感じます。

しかし、研究者たちは、これは考えられる理由のひとつに過ぎず、コリアンダーが好きかどうかは、個人の好み、文化的要因、家族の習慣と関係があるとも言っています。もともとコリアンダーが苦手な男性でも、奥さんが料理でコリアンダーを使用しているうちに気にならなくなる人もいます。

(翻訳・里見雨禾)

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