身近な食品にも マイクロプラスチックが含まれる5例

マイクロプラスチックは人体の健康に悪影響を及ぼす可能性があるとされており、環境中の至る所に存在し、飲料水や食品の中にも含まれています。専門家によると、人々が食品を通じてマイクロプラスチックに接触する機会は、多くの人が想像している以上に一般的であり、その中には意外な5種類の食品が含まれています。

イギリスオープン・ユニバーシティの環境工学講師であるキャサリン・ロルフ氏は、ウェブサイト「The Conversation」への寄稿の中で、研究によれば、毎日食べ物や飲み物から摂取されるマイクロプラスチックの数は、0〜150万個の間と推定されていると述べています。

以下の5種類の一般的な食品や飲料は、意外なマイクロプラスチックの供給源とされています。
 

ガム

ガムを噛んでいるとき、実際にはプラスチックの塊を噛んでいる可能性があります。ほとんどのガムは、ガムベース(プラスチックやゴム)から作られており、そこに甘味料や香料が加えられています。噛む過程で、このガムベースからマイクロプラスチックが放出されます。ガム1gあたり、最大で637個のマイクロプラスチックが放出される可能性があるとされています。

植物由来ポリマーで作られた天然ガムでも、状況はあまり変わりません。放出されるマイクロプラスチックの量は合成ガムとほぼ同じであることが分かっています。これは、マイクロプラスチックがガムベースだけでなく、製造や包装の過程で混入している可能性を示しています。

なお、大半のマイクロプラスチックは、噛み始めてから最初の8分以内に放出されます。そのため、接触を減らすには、新しいガムに次々と替えるのではなく、1枚のガムをできるだけ長く噛むほうがよいとされています。
 

リンゴとニンジン

複数の研究により、野菜や果物がマイクロプラスチックによって汚染されていることが確認されています。特にリンゴとニンジンの汚染が比較的深刻で、レタスの汚染度は最も低いと報告されています。ただし、高度に加工された食品と比べると、野菜や果物に含まれるマイクロプラスチックの量は、依然として比較的少ないとされています。

現時点では、マイクロプラスチックが人体に及ぼす具体的な影響は明確になっていませんが、果物や野菜に含まれるアントシアニンなどの抗酸化物質は健康に寄与するため、引き続き摂取することが勧められています。

リンゴはマイクロプラスチックを比較的多く含む果物の一種です。(Shutterstock)
リンゴは、比較的多くのマイクロプラスチックを含む果物の一つとされています。(Shutterstock)

 

塩は一見、純粋で単純な調味料のように思えますが、研究によると、世界各地で検査された食塩製品の94%からマイクロプラスチックが検出されています。この汚染は非常に一般的であるため、海塩を海洋環境におけるマイクロプラスチック汚染の指標として用いることが提案されているほどです。

別の研究では、ヒマラヤ岩塩などの陸地由来の塩のほうが、海塩よりも汚染度が高いことが分かっています。科学者たちは現在、海塩を浄化するための新たな技術を研究していますが、マイクロプラスチック汚染の大部分は、生産や包装の段階で混入している可能性が高いと考えられています。

さらに、家庭で使用される塩用ミルも、この問題を悪化させる要因になり得ます。使い捨てのプラスチック製ミルは、0.1gの塩を挽く際に、最大で7,628個ものマイクロプラスチックを放出する可能性があります。接触を最小限に抑えるためには、陶器製や金属製のミルを使用し、塩は非プラスチック容器に保存することが推奨されます。
 

紅茶とコーヒー

ティーバッグに限らず、茶葉、コーヒー、牛乳もマイクロプラスチックに汚染されている可能性があります。研究によると、ティーバッグ1個を浸すだけで、数億個ものマイクロプラスチックが飲み物中に放出される可能性があることが示されており、その数は非常に多いとされています。

使い捨てのプラスチックカップは、温かい飲み物におけるマイクロプラスチック汚染の主な原因の一つです。高温によって、容器から飲み物へとマイクロプラスチックが溶け出しやすくなるためです。

一般に、温かい飲み物は冷たい飲み物よりも多くのマイクロプラスチックを含む傾向があるため、冷たい飲み物に切り替えることで摂取量を減らせる可能性があります。研究では、ガラス瓶入りの牛乳を選ぶことでも、マイクロプラスチックの摂取を減らせることが示されています。

ただし、すべての飲料が同様というわけではありません。瓶詰め飲料を対象とした研究では、ガラス瓶入りの清涼飲料水やビールのほうが、プラスチックボトル入りよりもマイクロプラスチック汚染が多いことが分かりました。これは、塗装された金属製の瓶キャップによる汚染が原因である可能性があります。

市販されているティーバッグの中には、実際にプラスチックを含まず、生分解性プラスチックではなく綿布を使用している製品もあります。しかし、表示基準が統一されておらず、すべての企業が成分を明確に開示しているわけではないため、そうした製品を見分けるのは難しい場合があります。

総合的に見ると、リーフティーを使用し、再利用可能な金属製またはガラス製のカップで飲むことが、マイクロプラスチック汚染を減らす効果的な方法といえます。

ティーバッグは熱湯で淹れると大量のマイクロプラスチックを放出します。(Shutterstock)
ティーバッグは、熱湯で抽出すると多くのマイクロプラスチックを放出する可能性があります。(Shutterstock)

 

海産物

研究によると、ほとんどの海産物がマイクロプラスチックに汚染されていることが示されていますが、意外にも、他の食品と比べると、海産物はこれまであまり注目されてきませんでした。

別の研究では、ムール貝などのいわゆる「濾過摂食動物」に含まれるマイクロプラスチックは、1gあたり0.2~0.70個とされ、ティーバッグに含まれる量よりもはるかに少ないことが分かっています。
 

改善策

ロルフ氏は、食品をプラスチック容器で保存したり、高度に加工された食品を摂取したりすると、便のサンプル中に含まれるマイクロプラスチックの濃度が上昇すると述べており、こうした状況はできるだけ避けるべきだとしています。食品を加熱する際には、プラスチック容器ではなくガラス容器を使用することも、マイクロプラスチックが食品に移行するのを防ぐ有効な方法です。

研究によると、ボトル入りの水は水道水よりも多くのマイクロプラスチックを含んでいるため、水道水を飲むことで摂取量を減らせる可能性があります。さらに別の研究では、水を一度沸騰させてから飲むことで、マイクロプラスチックの約90%を除去できることが示されています。

ロルフ氏は最後に、食事からすべてのマイクロプラスチックを完全に排除することは難しいものの、こうした対策を取り入れて行動を見直すことで、マイクロプラスチックを摂取する機会を減らす助けになるとまとめています。

(翻訳編集 解問)

陳俊村