ロシアと米英が非難の応酬、ウクライナでの化学兵器攻撃巡り
[国連 22日 ロイター] – ウクライナで化学兵器による攻撃が行われる可能性を巡り、ロシアと米国および英国は22日、国連で非難の応酬を繰り広げた。ただ、いずれも自国の懸念を裏付ける証拠は示さなかった。
ロシアは、国連安全保障理事会の非公開会合で、同国軍が包囲したウクライナ北東部の都市スムイの化学工場からアンモニアが流出した問題を提起し、「ウクライナの過激な民族主義集団」の責任だと非難した。
ロシアのポリャンスキー国連次席大使は会合後に記者団に対し、ロシア軍は「有害物質が貯蔵・生産されているウクライナの施設に対する攻撃を計画・実行したことはない」と指摘。
「西側諸国に鼓舞されたウクライナの民族主義当局が、自国民を威嚇する手段を選ばず、ロシアを非難するために偽旗攻撃を仕掛けることは明白だ」と述べた。
これに対し、英国のウッドワード国連大使は、ロシアの野党指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏が毒物を盛られたことや、シリアで化学兵器が使われた可能性に言及し、「ロシア自体が化学兵器を使用したある種の偽旗攻撃を仕掛ける前触れではないかという結論に至らないのは難しい」と語った。
米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は、ロシアの主張を「ばかげている」として一蹴。「われわれの懸念は、これが化学兵器を使用するロシアの計画の前兆であることだ」と述べた。
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