果糖は「果物の中の糖類」つまりフルクトース(fructose)です。
「果物の甘さ」は無害です
ある研究では「フルクトースの大量摂取は健康に悪い」という結果が出ています。
しかしこれは、通常の食生活のなかで健康維持に有益な範囲で果物を食べることとは、全く別の話なのです。
濃縮された加工果糖(精製糖)を多く摂取することは、尿酸および中性脂肪の過多、腹部脂肪の蓄積、食後に空腹感を覚えやすいなど、健康上の問題に深く関わってきます。
精製されたフルクトースが濃縮されているのに対して、果物に含まれる天然のフルクトースはそうではないので、糖分の含有量としてはそれほど多くありません。
私たちが注意するべきは、天然原料であってもコーンシロップのような精製濃縮された糖のほうです。そのような糖分の摂取は、できるだけ少なくしましょう。
一方、果物に含まれる糖は無害です。その理由は、以下の通りです。
精製された砂糖を単独で摂取するのは、確かに健康に良くありません。しかし果物の場合は、現実的ではないほど大量に食べないと、砂糖と同等量の糖分を摂取することはできないのです。
食物繊維の役目
新鮮な果物には、糖分のほかに各種ビタミン、ミネラル、抗酸化物質、食物繊維、水分が含まれており、これらはすべて健康維持に不可欠な栄養素です。
また、果物のなかの食物繊維は、果糖が吸収されるスピードを緩やかにすることができます。果物は健康に非常に有益で、加工しなくても食べられる食物です。敢えて言うならば、果物は、食べ過ぎを心配することなく、毎日食べられる重要な食物なのです。
すべての砂糖が同じというわけではありませんが、甘味のつよい精製糖は、野菜や果物などの天然糖とは、その健康への影響において雲泥の差があります。
もちろん私たちの体や脳は、正常に機能するために糖分を必要とします。
その際にも、できるだけ精製糖に頼るのではなく、新鮮な果物や野菜(カボチャやサツマイモなど)に含まれる糖分が望ましいと言えます。
脳が貯蔵するグリコーゲンの主成分はブドウ糖です。つまり、グリコーゲンはブドウ糖を脳に貯蔵する主な形態なのです。
人が食物から摂取したフルクトースのうち、29%~54%が肝臓でブドウ糖に変換されます。そのため、例えば、脳が良い働きをするためには「良質のフルクトース」が必要になります。良質のフルクトースとは何か。つまり「果物のフルクトース」なのです。
では、簡潔に結論を申しましょう。
「おいしいフルーツを、思いっきり楽しみましょう!」
(文・Lisa Roth Collins/翻訳編集・鳥飼聡)
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