台湾の呉釗燮(ジョセフ・ウー)外交部長(外相)は22日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)のクリチコ市長に対し、キーウとウクライナの医療機関に計800万ドルを寄付すると発表した。1日撮影(2022年 ロイター/Fabian Hamacher)

台湾、キーウ市長に支援 独裁主義国に抵抗する「最前線」を共有

[台北 22日 ロイター] – 台湾の呉釗燮(ジョセフ・ウー)外交部長(外相)は22日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)のクリチコ市長に対し、キーウとウクライナの医療機関に計800万ドルを寄付すると発表した。ウクライナと台湾の民主主義が巨大な独裁主義の隣国に「抵抗する最前線」に立っているとも言及した。

ロシアに侵攻されたウクライナに対しては、台湾でも広く共感を呼んでいる。ロシア政府が「特別軍事作戦」と呼ぶロシアのウクライナ侵攻と、民主的に統治されている島の台湾を自国領土とみなす中国からの軍事圧力との間に類似性を見出す人が多いためだ。

台湾はロシアの侵攻を非難して西側主導の制裁に加わり、ウクライナからの避難民のために2000万ドルを寄付したが、その大部分は台湾住民からの寄付だった。中国はロシアを非難せず、人道支援として1500万元(230万ドル)を寄付したに過ぎない。

台湾外交部によると、呉氏はクリチコ氏とテレビ会議で話し、台湾とウクライナはともに「独裁主義の拡大に抵抗する最前線の民主主義社会」だと発言した。

呉氏は中国に言及して「台湾の政権と住民も、台湾海峡をはさんだ独裁主義体制の強い脅威に直面しており、ウクライナの現状を自分のことのように感じている」とも述べた。

台湾はこれまで、台湾とウクライナの高官級の会談について発表していなかった。

台湾はウクライナと外交関係がなく、欧州の他の多くの首都とは異なりキーウには代表事務所さえ設置していない。

呉氏は、台湾がキーウ市に300万ドル、ウクライナの6つの医療機関に計500万ドルを寄付すると表明した。

呉氏は、元ボクシング王者のクリチコ氏と話している写真をツイートに投稿し、クリチコ氏の「闘志」を称賛。「チャンプ(チャンピオン)、私たちはあなたと貴国民と共に立ち続ける。自由が勝利する!」と書き込んだ。

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