コラーゲンという名称が、美容関係の製品や健康食品のなかによく見られます。
コラーゲンは、主に脊椎動物の真皮や腱、軟骨などに含まれるタンパク質のことで、凝固するとゼラチンとも呼ばれます。
コラーゲンのほかに、ヒアルロン酸や大豆イソフラボンも「肌の潤いを保つ健康食品」として、関連する商品広告によく見かけます。
これらが、果たしてどれほど保湿効果を発揮するのでしょうか。
では、それらの「保湿効果の有無」について、1つずつ見ていきましょう。
1、コラーゲン
コラーゲンは、確かに食品から摂取すると、肌の保湿に役立ちます。
そのため、コラーゲンは美肌成分のなかでもランキング上位の人気製品です。
コラーゲンは、真皮層のなかでも非常に重要な構造をもっており、ヒトでは全タンパク質約25%を占めると言われています。表皮の下にある真皮層は、肌の弾力を保つほか、肌への水分補給、日焼けを防ぐなどの作用とも関係しています。
しかし、年齢が増すにつれ、肌の張りや潤いはなくなっていきます。
これには、通常の老化現象だけでなく、どれだけ日光に当たったか、不適切な食習慣(例、砂糖や揚げ物を好む)があるかどうか、などの外的条件が重なります。いずれにしても、コラーゲンの損失を加速させているのです。
2、ヒアルロン酸
理論的および臨床的には、肌の保湿も可能と考えられます。
ヒアルロン酸は高分子多糖類で、人の結合組織や粘液のなかに存在し、とくに関節のなかでは潤滑剤として動きを滑らかにする作用を発揮します。
ヒアルロン酸にも保湿の作用があります。私たちの角質細胞は、自然に天然の保湿因子(ヒアルロン酸もふくむ)を分泌しますが、年を取るとその機能が衰え、肌が乾燥しやすく、しわができます。
ヒアルロン酸もコラーゲンのように経口摂取で人体に吸収され、血液中、関節、皮膚に届きます。
これら腸管から吸収されたヒアルロン酸が、繊維芽細胞(肌の若さを保つ細胞)を刺激することで皮膚の保湿を助け、真皮組織中のコラーゲンとともに、肌の弾力と潤いを保つと考えられます。
3、大豆イソフラボン
大豆イソフラボンと肌の保湿や乾燥防止との関連性については、まだ明確なエビデンスは得られていません。
大豆イソフラボンの構造は、女性エストロゲン(女性らしさをつくるホルモン)に似ていると言われます。ただし、そこからスキンケア効果につながるメカニズムは、まだ解明されていないのです。
したがって、「大豆イソフラボンが美肌に有効」という明確な証拠はありませんが、大豆を食べると健康全般に良いということは経験的に明白なので、肌のケアもふくめて、大豆を多く食べることは推奨できます。
実際、大豆は体によく吸収され、とくに植物性タンパクの利用率が良いことに加えて、低脂肪でコレステロールの心配もありません。
さらに、おからと一緒に食べれば、食物繊維をたっぷり摂れますので、直接的な美肌効果に役立つ食材でないとしても、大豆は健康をしっかり支える主役になれるのです。
大豆は毎日食べられる、お薦めの食材です。
(翻訳編集・鳥飼聡)
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