岸信夫防衛相は11日、シンガポールで開催中のアジア安全保障会議(シャングリラ対話)で講演し、核を保有・開発するロシア、中国、北朝鮮の名前を挙げ、ルールを無視する行動に日本は最前線で対峙しているとの情勢認識を示した。写真は2021年11月、朝霞駐屯地で撮影。代表撮影(2022年 ロイター)

防衛力強化へ予算確保と岸防衛相、ルール無視に「最前線で対峙」

[11日 ロイター] – 岸信夫防衛相は11日、シンガポールで開催中のアジア安全保障会議シャングリラ対話)で講演し、核を保有・開発するロシア中国北朝鮮の名前を挙げ、ルールを無視する行動に日本は最前線で対峙しているとの情勢認識を示した。その上で、防衛力を抜本的に強化するための予算を確保すると表明した。

岸防衛相は講演で、ウクライナに侵攻したロシアの軍事活動が極東と太平洋でも活発化していること、北朝鮮がミサイル発射を繰り返していることに言及した。

中国については、ロシアとの関係がさらに深まる可能性があるという形で名前を挙げ、その後は名指しせずに、南、東シナ海で力を使った一方的な現状変更の試みが続いている、台湾への武力行使の可能性をちらつかせながら軍事力を強化する動きがあると指摘した。

岸氏は「問題を引き起こす主体は核兵器を保有または開発している上に、ルールを無視した行動を取っている」とし、「(日本は)ルールに基づく国際秩序を守るためのまさに最前線に位置している」と語った。

その上で、「日本が防衛力を抜本的に強化することは、力による一方的な現状変更を断じて容認しないという決意を示すもの」と語り、「必要な防衛予算をしっかりと確保する」とした。

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