この広い宇宙では、人間だけが知的生命なのではなく、他の惑星にも地球外生命体がいるかもしれないと、多くの人が思っているはずです。このような考え方は、現代人だけのものではありません。300年以上前に出版された本の中で、著者は同じ主張をしています。
BBCとデイリー・ミラーによると、オランダの科学者クリスティアン・ホイヘンスが1698年に出版した本が、最近グロスタシャー州で、本の鑑定士ジム・スペンサーさんによって発見されました。
(本を手にしたスペンサーさんの写真はこちらから)
本のタイトルは『発見された天界-惑星世界の住人、植物、産物に関する推測』(The Celestial World Discover’d: Or, Conjectures Concerning the Inhabitants, Plants and Productions of the Worlds in the Planets)
この本は324年前に書かれた貴重な書物で、神がなぜ他の惑星を創造し、地球人がそれを観察できるようにしたのかについて探っています。
本の中でホイヘンスは、他の惑星、特に木星や土星の存在は、他の生命体に住む場所を提供するためであると示唆しています。
ホイヘンスは、他の惑星に住む生命体の姿を描き出そうとしました。彼は、木星にはゾウの10倍から15倍の大きさで、クジラよりも長い動物がいるかもしれないと考えています。
ホイヘンスは、宇宙人の姿については、人間と同じように手と足があるに違いないと考えています。全員が空を飛べれば話は別ですが、その方が都合がいいからです。
ホイヘンスはまた、宇宙人は天文学や観測を好み、船を操縦し、音楽を聴きますが、戦争や貧困など多くの不幸にも苦しんでいるといいます。
スペンサーさんは、ホイヘンスの本について、宇宙人がどのような姿をしていて、どのように時間を過ごしているのか、さらには彼らの音楽がどのような音なのかまで描写しようとしている、と述べました。
スペンサーさんは、この本はコミカルに見えるが、科学的な推論があると言います。本を読み進めるうちに、その内容が未来的というか、SF的というか、過去にいる作者と現在の我々が対話をしているようで不思議な感覚を覚えたといいます。
天文学者であり数学者であったホイヘンスは、土星の輪とその最大の衛星であるタイタン(Titan)の発見で最もよく知られています。
ホイヘンスは1695年に亡くなり、この宇宙人に関する本は彼の死後3年目に出版されました。この本は英語とラテン語の両方で出版され、現在発見されているのは英語版です。
この本は、7月5日にオークションに出品される予定です。専門家の中には、最高で3000ポンド(約50万円)で売れると予想する人もいます。
(翻訳・井田千景)
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