6月16日、感染症対策のフェイスシールドとマスクを着用して自転車を運転する女性、上海で撮影 (Photo by HECTOR RETAMAL/AFP via Getty Images)

都市封鎖、情報検閲、洪水… 中国本土住民の苦難続く

新型コロナウイルス感染症により中国共産党が健康改善の取組みを遅延・拒否したり、移動を制限する中、中国本土の住民は命に係わる状況を乗り越えようとしている。自由を再び手にできるという希望が見られた矢先に、中国が近年経験した中でも最悪の洪水が発生するなど、状況はさらに悪化している。

AP通信が2022年6月下旬に報じたところによると、「今年の洪水は、一部の地域では数十年で最悪の洪水で、その中で国内のほとんどの地域で旅行、雇用、日常生活を制限した厳格な新型コロナウイルス規制が敷かれている。

中国の住民が長引くパンデミックによる制限への対処に苦慮する中、雨季が到来した。中国政府は定期的に不都合なニュースの検閲を行っているが、これに対して中国国民は黙って苦しみに耐え忍ぶことを拒否している。Wired.comによると、その中でも最も声高なのが上海市民で、WeiboやWeChatなどのソーシャルメディアネットワークで、厳しいロックダウン制限により死亡した人々について報告している。

2022年7月に「エポック・タイムズ(The Epoch Times)」紙が報じたところによると、「ロックダウンの最中、病気の人々は医療を受けられずに亡くなり、耐え難いストレスやうつ病で自殺する事件が発生し、おそらく餓死とみられる一人暮らしの高齢者の死亡が確認されている」という。

同紙によると、「上海2022ロックダウン不自然死亡記録(Shanghai 2022 Lockdown Unnatural Death Record)」と呼ばれるTwitterアカウントでは、100人以上の死亡者が記録されており、その多くについて氏名、住所、死亡時刻などの詳細が記載されている。

「中国共産党は『戦いに勝った』と主張しているが、一体誰が勝ったのか?今回の上海のロックダウンを通じて、人々は中国共産党政権の邪悪な性質を徹底的に見抜き、もはや中国共産党を信頼したり、希望を抱くことはなくなった」と、北京師範大学の李元華元教授はエポック・タイムズ紙に対して語った。

上海市は、病院で治療を受ける条件として新型コロナウイルス感染症検査の陰性結果を提示することを義務付けていた。しかし多くの場合、医療施設は上海市の規則に基づき、ウイルスの拡散を抑制するために、施設の消毒を目的に閉鎖されていたとWired.comは報じている。

上海の2500万人の住民の多くは、6月1日にロックダウンが解除されるまで70日以上にわたって自宅に閉じ込められていた。これに続き、最近の感染者の増加を受けて、再びロックダウンが行われるのではないかとの危惧が高まっている。7月上旬にAP通信が報じたところによると、上海市と北京市の住民には新たな感染者が発見されたことを受けて、より多くの検査を受けるよう当局が命じている。

AP通信が報じたところによると、最近の上海での新型コロナウイルスの感染拡大は、ロックダウンが終了する前に無断で営業を再開し、従業員や常連客に対する予防措置を講じなかったとされるカラオケ店に関連している。北京でも、感染者数の増加と夜の歓楽街との関連が確認されている。

CNBCが報じたところによると、中国本土の一日あたりの新型コロナウイルス新規感染者数は、7月上旬までにわずか数名から300人に急増していた。

パンデミックによる心身の健康問題が浮上する中、中国南部では大洪水で数万人が故郷から避難することを余儀なくされた。複数の報道によると、この雨による熱波や停電で50万人の人々の生活に混乱が生じた。

YouTubeチャンネル「スポットライト・オン・チャイナ(Spotlight on China)」は6月下旬に報告書を発表し、中国当局が水害被害者の救援を求める声を検閲し、WeiboとWeChatから動画と画像を削除し、水害に関する検索に対しては、緊急対応チームが水害被害者を勇敢に救助したという結果が出るよう作為している、と主張した。

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