重曹の驚くべき4つの効果 (1)

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重曹炭酸水素ナトリウム)は、私たちの生活をより快適なものにし、家をピカピカに保ち、体の不調を整えるなど、何百もの用途があります。強力で柔軟な応用力がありながら、安価で入手しやすいのが特徴です。風邪や胃酸過多、重金属中毒などの基本的な予防のために、口から摂取してもいいですし、お風呂に入れることも可能です。重曹の健康効果をどのように利用すればよいのでしょうか?
 

製薬会社の頭痛の種だった医薬品としての重曹

重曹は、風邪、インフルエンザ、胃痛、放射線障害、化学物質や重金属の中毒、口腔衛生など数え切れないほどの用途によく使われています。アメリカでは「アーム&ハマー」というブランドの重曹が広く流通しており、多くの高価な薬に取って代わり、多くの製薬会社の頭を悩ませています。

重曹が人間に利用されてきた歴史は古いですが、重曹の医療効果をめぐって論争が起きたのは近年のことです。紀元前2000年以上前から伝わるエジプトの物語「議論する農民」には、炭酸水素ナトリウム、塩化物、炭酸ナトリウムの天然混合物である「ナトロン」を売る行商人が登場し、重曹の数百ある用途の1つとして、ミイラを作るために使われたことが記されています。

しかし、パンなどの発酵剤として使われるようになってから、本格的に利用されるようになりました。私たちが知っているアーム&ハマーが発売されたのは1867年ですが、重曹は1775年からパックで販売されていました。薬局で重曹、ヨウ素、カンナビジオール(大人と子供のてんかんを治療するために大麻から精製した化合物)が販売されるようになってから、家庭用治療薬として認識されるようになったのです。

例えば、正確な免疫抑制治療が可能になった現在でも、重曹は乾癬の治療の第一選択となっています。過去の研究では、軽度から中等度の乾癬患者31名に重曹を含むお湯で入浴をさせ、その効果を観察したところ、重曹風呂は乾癬の不快感を和らげました。被験者は研究後も乾癬の治療に重曹を使い続けているそうです。

1.風邪とインフルエンザのための自然で無害な処方箋

アーム&ハマーを製造するチャーチ&ドワイト社は1926年に発行したパンフレットの12ページにこう書いています:

「治療薬としてのアーム&ハマーの重曹の有効性は、著名な医師であるヴォルニー・S・チェイニーがチャーチ&ドワイト社に宛てた手紙で裏付けられています。『1918年から1919年にかけて、アメリカの公衆衛生局でインフルエンザ対策をしていたとき、あることに注目しました。重曹を生体内に投与した人はほとんど感染せず、感染した人も初期に重曹を投与すると、インフルエンザ症状が軽くなったというのです。それ以来、私は風邪やインフルエンザの患者さんに重曹を大量に投与して治療していますが、ほとんどの場合、36時間以内に症状が半減します。さらに、婦人会や保護者会が推進するずっと前から、風邪予防に家で重曹を使うことを提案していましたが、重曹を使った人はインフルエンザに感染せず、周りの人が感染したという多くの報告がありました』」

風邪やインフルエンザに対する1925年当時のアーム&ハマーの推奨用量は以下の通りです。

1日目:コップ1杯の冷たい水に小さじ半分の重曹を溶かし、1日6回、2時間おきに飲みます。

2日目:コップ1杯の冷たい水に小さじ半分の重曹を溶かし、1日4回、2時間おきに飲みます。

3日目:朝と晩の1日2回、コップ1杯の冷たい水に小さじ半分の重曹を溶かして飲みます。

4日目以降:コップ1杯の冷水に小さじ半分の重曹を溶かし、1日1回朝、風邪が治るまで飲んでください。

この非常に貴重な情報は、アーム&ハマーを製造している会社から提供されたもので、同社はアルミニウムを含まない重曹を製造しています。重曹は昔から治療薬として使われていたため、同社はこの医療情報を公開し続けているのです。
(つづく)

(翻訳・井田千景)