(前稿よりつづく)
重曹(炭酸水素ナトリウム)は、風邪、インフルエンザ、胃痛、放射線障害、化学物質や重金属の中毒、口腔衛生など数え切れないほどの用途によく使われています。医薬品としての重曹の4つの効果をご紹介します。
4.歯の保護
重曹を適量使って歯を磨くと、病原菌が形成する膜、つまりバイオフィルムや細菌膜に浸透するため、口の中を健康に保つことができます。バイオフィルムは放置すると固形物になり、歯を食いしばって歯医者で除去してもらわなければならなくなるのです。
重曹は、ショ糖を摂取することでできる歯垢を減らし、酸を薄める作用があるため、虫歯の予防にも利用できます。重炭酸塩が歯垢の生成を抑制し、エナメル質へのカルシウム吸着力を高めることが研究により明らかにされています。
歯科治療における重炭酸塩の有効性から、1985年10月に「歯磨き粉への重曹の添加」に関する特許が米国で取得されました。
重曹は、口の中のpHを高め、細菌による代謝性酸性の弊害を中和します。その結果、重曹は歯科で使われることが多くなり、他の歯磨き粉に比べるとエナメル質や象牙が削られにくくなっています。
見事な笑顔を見せる女優のジュリア・ロバーツさんは、祖父から重曹を使った歯磨きの秘法を伝授され、健康な歯を手に入れたおかげだと言います。
「私は重曹で歯磨きをしています。 私の祖父はいつも歯ブラシに重曹をたくさんつけていて、人生で一度だけ虫歯になったことがあります」とロバーツさんは言います。
重曹は歯を白くしますが、それだけではありません。重曹は、口の中の健康を保つのに最適なため、歯磨き粉や新しい洗浄剤に使用されることが多くなっています。pHを変化させ、人体への脅威となるバクテリアや菌類の繁殖を速やかに排除します。
(完)
(翻訳・井田千景)
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