血糖値を下げる効果のあるオクラ、おいしく食べるには

オクラの和名はアメリカネリと呼ばれ、食物繊維やビタミンAが豊富で低カロリーなため、便通を促進し、お通じを良くする効果が期待できます。 オクラの効果として最も広く知られているのは、血糖値を下げる効果です。

オクラには血糖降下作用がある

健仁医院代謝部の主治医である蘇聖棋先生によると、オクラにはフラボノイドと水溶性食物繊維が含まれているため、血糖値を下げる効果があるそうです。

フラボノイドは、体内の抗酸化力を高め、グルコシダーゼ(グルコースからできた多糖類を加水分解する酵素の総称)を抑制し、小腸での糖の吸収を遅らせる働きがあります。

さらに、榮新診療所の栄養士である李婉萍氏は、多糖類には細胞の免疫力を高める効果もあると言っています。

また、オクラにはカテキン、ガロカテキン、ラヌンクリン、ケルセチン、ポピーフラボン、イソラムネチン、ケンフェロールなど、多くの抗酸化ファイトケミカルが含まれており、膵臓の炎症反応を抑えて血糖の体内利用を促進させる働きがあります。

オクラ水で血糖値を下げる? 
丸ごと調理するとより効果的

近年、血糖値を下げるためにオクラ水を飲むことが流行っています。 ただし、血糖値への効果を期待するには、オクラ水を作る際に種を切り、種の栄養素を水に溶け込ませた方が良いという専門家もいます。 これは、オクラの種は実のサヤよりもフラボノイドの含有量が多いからだと蘇聖棋氏は言います。

血糖値を下げる効果をしっかり発揮させるには、オクラ水を作るときに種をカットして、種の栄養素が水に溶け込むようにするとよいでしょう。

李婉萍氏は、生のオクラ水を飲むよりも、丸ごと調理したほうがよいと指摘しています。オクラにはシュウ酸が含まれており、胃を刺激して下痢を起こすことがあるため、生食には適していません。 

また、オクラの皮には小さな毛がたくさん生えており、人によってはアレルギーを起こす場合があります。 

オクラ水を飲むなら、李婉萍氏は水で煮てから飲むことを勧めています。

食前にオクラを食べましょう

李婉萍氏は、一般的に75歳以上の高齢の糖尿病患者は、まずタンパク質を摂り、最後にデンプンを摂ることが推奨されています。しかし、でんぷんを先に食べると血糖値が上がりやすいので、血糖値を安定させるためには、食物繊維を先に食べ、その後にタンパク質を摂ることをおすすめしています。

糖尿病、高血糖、高血圧、高コレステロールの人も、食前にオクラを食べるのに適しています。

糖尿病の患者は、医師の薬と併用してオクラを摂取することも必要です。血糖値の薬を飲まずにオクラ水を大量に飲んで、血糖値がおかしくなったり、血中カリウムが高くなりすぎるという事例が多くあります。

糖尿病の薬や注射は、オクラを適量摂取していれば、原則として減らす必要はありません。 内服薬や注射薬の投与量の調節を主治医と相談する必要があります。

水よりおいしいオクラの食べ方

オクラは糖尿病患者に良いだけでなく、食物繊維が豊富で、過敏性腸疾患や血中コレステロールが高い人に有効です。 (Shutterstock)

オクラは血糖値を下げるだけでなく、カルシウムやカリウムを多く含む野菜なので、カルシウムを補い、水分よりも多く体外に排出する働きがあります。

 食物繊維も豊富で、オクラ100gには3.7gの食物繊維が含まれており、これはキャベツ茶碗3杯分より多いそうです。
 過敏性腸疾患の方には、オクラのネバネバした繊維が便の水分を吸収し、下痢を改善する効果が期待されます。

また、オクラには粘膜の修復や胃潰瘍の改善に役立つビタミンAが豊富に含まれています。 また、目にも良いので、目を酷使する人はオクラを多く食べるとよいでしょう。

オクラは基本的にどの料理に入れても大丈夫ですが、やや渋みがあり、風味も強いので、鶏肉や豚肉などの淡白な食材や、滑らかな粘性を持つキノコ類との炒め物などが適しています。

また、串焼きや照り焼きにして風味を加えたり、薄切り肉で包んだり、アスパラガスやえのきと一緒に焼いたりするのもおすすめです。

オクラの最も簡単な食べ方はお湯で茹で、醤油、マスタード、ホイシンソース(海鮮醤)、ごまだれ、ピーナッツバター、タイソースなどのソースをつけて食べることです。
オクラは健康に良い食材ですが、毎日食べることはお勧めできず、適度に食べることが大切だと李婉萍氏は注意を促しています。

翻訳:里見雨禾

蘇冠米