古代文明が共通して選んだ食材 ニンニクの驚く力

ニンニクは、食べ物としても、薬としても、さらには病気や不運、民間伝承によればアンデッド(不死者)から人々を守る一種の霊的なお守りのようなものとしても、何千年にもわたり大切にされてきた古代の治療法のひとつです。

栽培植物としての歴史はあまりにも古く、その正確な起源を特定しようとすることは、誰が最初にワインが良いものだと思いついたのかを尋ねるようなものです。

多くの証拠は、ニンニクが中央アジアを起源とし、その後中国で早くから栽培されたことを示しています。中国では、何千年もの間、医療の中に自然に組み込まれながら、吸血鬼を寄せつけない存在としても語られてきました。

特に印象的なのは、ニンニクが、共通の言語もなく、お互いに接触もなく、ほぼあらゆることに関して大きく異なる考えを持っていた古代文明に受け入れられていたことです。それにもかかわらず、彼らはなぜか皆、同じ結論にたどり着きました。この刺激臭のある小さな球根には、社会的な影響(例えば強い匂いによる周囲の反応)を考慮しても、それだけの価値があるという結論です。
 

ニンニクはツタンカーメンの墓から発見された

例えば古代エジプト人は、ピラミッドを建設する労働者にニンニクを与えていました。おそらく彼らを強く健康に保つためだったと考えられますが、そのことは後にツタンカーメン王の墓の中からニンニクの球片が見つかった理由の説明にもなるかもしれません。

それが薬としての意味を持っていたのか、霊的な保護のためだったのか、それとも誰かが昼食を置き忘れただけなのかは不明ですが、少なくともニンニクが重要な存在になっていたことは示しています。

ニンニクは、最古の医学書のひとつである「エーベルス・パピルス(古代エジプトの医学文書)」にも繰り返し登場しており、寄生虫から「異常な増殖(腫瘍など)」に至るまで、さまざまな症状に対して勧められていました。

古代ギリシャ人も同様にニンニクを重視していました。ニンニクは神殿、軍の配給食、そして特に初期のオリンピック選手の食事に取り入れられており、歴史上最初期のパフォーマンス向上食品のひとつでもありました。ヒポクラテスは、肺の病気、消化器の不調、そしてさまざまな婦人科の問題に対してニンニクを処方していました。

その後、ローマ人がこの流れを引き継ぎ、兵士や船員にニンニクを与え、消化の改善から動脈の健康まで、さまざまな働きがあると考えていました。博物学者プリニウスは、ニンニクの薬効を少なくとも23種類も記録しています。

他の地域でも、ニンニクは盛んに利用されていました。古代中国では食べ物と薬の両方として使われ、消化不良、疲労、呼吸器の問題、さらには憂うつに対しても処方されていました。

インドでは、古典的なアーユルヴェーダ(インドの伝統医学)の文献において、2,000年以上前から心臓病や関節炎に対する治療法としてニンニクが推奨されていました。ここでも同じことが言えます。文化は違っても結論は同じでした。ニンニクは匂いが強いかもしれませんが、それでも価値があるということです。

この流れは中世からルネサンス期にかけても続きました。

修道士たちは修道院の庭でニンニクを栽培していました。医師たちは病気を防ぐためにニンニクを持ち歩いていました。疫病の流行時には、食べられ、身につけられ、さらには物に塗られることもありました。実際、ニンニクには抗菌作用があることが現代科学によって確認されています。ただし、当時とは違って、今は祈りの言葉よりも白衣での研究が中心になりました。
 

現代におけるニンニクの再評価

そして現在、ニンニクは「ポリフェノールおよび有機硫黄化合物が豊富なニュートラシューティカル(栄養補助食品)」として再び注目されています。

その主な有効成分であるアリシンは、ニンニクを潰したり刻んだりしたときに生成されます。ニンニクが最も強い匂いを放つのは、まさに最も強く働こうとしている瞬間なのかもしれません。

現代の研究では、ニンニクが心血管の健康に測定可能な利益をもたらす可能性が示されています。これには、血圧やコレステロールの適度な低下、そして血管機能の改善が含まれます。

また、代謝に関わる疾患にも有望な可能性が示されており、特に2型糖尿病やメタボリックシンドロームの人において、血糖値や脂質のバランスを整えるのに役立つ可能性があります。さらに、炎症や酸化ストレス(体内の細胞を傷つける反応)を軽減する可能性もありますが、ニンニクのサプリメントを血液をさらさらにする薬と併用する場合は注意が必要であり、医師に相談できる状態で行うことが勧められます。
 

がん研究におけるニンニク

がん研究については、より複雑です。

いくつかの研究では、ニンニクの摂取と大腸がんや胃がんなど特定のがんのリスク低下との関連が示されていますが、結論が一致していない研究もあります。ニンニクは、特に化学療法中において、症状の管理や免疫機能のサポートに役立つ可能性がありますが、残念ながら奇跡の治療法であることは示されていません。

ニンニクはまた、骨の健康、皮膚疾患、創傷治癒、感染症、肝臓の健康、免疫機能についても研究されており、結果はさまざまですが、全体としては有望です。ただし、主役というよりは補助的な役割として用いられることが多いようです。

現在も続いている課題のひとつは、生体利用率(体内にどれだけ吸収されるか)です。アリシンは不安定で、すぐに代謝されてしまうため、ニンニクを定期的に摂取するか、特定の形で摂取しない限り、その働きは限られる可能性があります。サプリメントはこの問題を解決しようとしていますが、その結果には差があり、すべてのニンニクカプセルが同じ品質というわけではありません。

そして民間伝承もあります。ニンニクは通貨、接着剤、殺虫剤、そしてお守りとして使われてきました。第二次世界大戦中には「ロシアのペニシリン」という愛称も与えられました。また、悪霊や感染症、そして最も有名な吸血鬼を追い払う力があると信じられてきました。夕食の客を遠ざける効果については、研究ではあまり触れられていません。
 

ニンニクの最大の功績

おそらくニンニクの最大の功績は、何世紀にもわたる医学の流行の変化を生き延びながら、完全に否定されることが一度もなかったことです。現代科学は繰り返し、古代の文化がすでに気づいていたことの少なくとも一部を再確認してきました。ニンニクには、これまで言われてきたすべての効果があるわけではないかもしれませんが、キッチンや薬箱、そして歴史の中でその存在を保ち続けるのに十分な価値があります。

サプリメントにラベルが付けられるよりもはるか以前、そしてインフルエンサーが割引コードを配るよりもずっと前から、この古代の治療法はすでに食卓での地位を確立していました。その長く続く力は、誇張や完璧さによるものではなく、親しみやすさと有用性、そして時の試練に耐えてきたものがもたらす静かな安心感によるものなのです。

(翻訳編集 井田千景)

オーストラリアを拠点とする大紀元のフリーランス記者。受賞歴のある短編小説作家であり、ジャーナリスト、コラムニスト、編集者としても活動している。これまでに『シドニー・モーニング・ヘラルド』『サン・ヘラルド』『ジ・オーストラリアン』『サンデー・タイムズ』『サンデー・テレグラフ』などの新聞に記事が掲載されている。ジャーナリズムを専攻したコミュニケーション学士号に加え、創作分野における2つの大学院学位を有している。