良心の囚人から臓器の収穫を中止するよう中国に求める署名運動を行う有志者ら。イタリアのフィレンツェで2013年撮影(Doctors Against Forced Organ Harvesting)

伊誌、中国臓器狩りを報道…中国大使館の反論声明にも「裏付けなし」と一蹴

イタリアの週刊誌『Panorama(パノラマ)』は中国共産党による臓器収奪問題を報じたところ、在イタリア中国大使館が反論声明を出した。これを受けて、パノラマは情報を追記した記事を掲載し、中国側の主張には「裏付けなし」と論じ返した。

8月24日、パノラマは『中国:国家があなたの臓器を欲するとき』と題する記事を発表した。良心の囚人から生きたまま臓器を収奪し殺害するという、中国共産党による人道に反する行為を暴露する内容だ。20年以上前に同問題を公にしたカナダの人権弁護士デービッド・マタス氏ら独立調査団は、その非人道性から「臓器狩り(Organ Harvest)」と例えた。

中国大使館批判後 再び臓器狩り記事発表

在イタリア中国大使館はウェブサイトで発表した声明で、記事の著者を「反中国」「人権侵害者」と呼んだ。さらに「臓器収奪は中国を中傷する目的で米国が捏造したもの」と述べた。

中国大使館の声明を受けて、パノラマは直ちに『中国は臓器移植に関する医療倫理規定に違反』と題する別の記事を掲載した。中国共産党による臓器収奪について「国際社会は繰り返し中国当局に実態解明を求めてきた」とした上で、同当局が医療倫理の核心的価値観に違反したと指摘した。

その一つとして、生きている人間から生命維持に必要不可欠な臓器摘出を禁じる「死者提供ルール」に違反したことを挙げた。記事は、世界で最も権威のある米移植専門誌「アメリカン・ジャーナル・オブ・トランスプランテーション」に掲載されたジェイコブ・ラヴィ医学博士の査読付き論文を引用し、中国の学術論文から、ドナーの死亡前に臓器が摘出されたことを示す71の事例が発見されたと指摘した。

ラヴィ氏はイスラエルのシェバ医療センターの心臓移植部門の責任者を務めるほか、国際心肺移植学会の倫理委員会にも所属している。

記事はさらに中国共産党による人権弾圧や隠ぺい体質にも言及した。「中国はウイグル人や法輪功学習者、数千人の政治犯が収容されている収容所について毎日24時間偽ニュースを流している」「(新型コロナウイルスの)流行を隠していたことを忘れてはならない」と付け加えた。

注意を逸らすことに躍起

米NPO「共産主義犠牲者記念財団(VOC)」のスポークスマンのミハエル・ハルマタ氏は、大紀元の取材に対して「在イタリア中国大使館による虚偽の主張と難癖は中国共産党がよく使う手段だ」と述べ、党が犯している犯罪から注意を逸らすための行為だと指摘する。

VOCもまた、中国共産党の標的にされた団体だ。サイバーセキュリティ会社マンディアントが8月に発表した報告書によると、VOCなど中国共産党の人権侵害を指摘する団体の信用を落とすことを目的とした偽情報サイトやソーシャルメディアアカウント、偽造書簡などが見つかったという。

これらの世論操作や情報工作活動は「中国がその人権侵害から注意をそらすために、ますます必死になっていることを示している」とハルマタ氏。「中国共産党は残忍な犯罪を犯しており、自由世界は対抗し始めている」と述べた。

中国側の要請を拒絶

米NGOの人権擁護組織「フリーダムハウス」上級アナリストのサラ・クック氏はパノラマの対応を「報道の自由を守る優れた例」と支持を示した。大手メディアや政府機関などが中国共産党の圧力に屈するなか、真実を読者に届け「その圧力を暴露し、拒絶する」姿勢を称賛した。

フリーダムハウスが8日に発表した報告書では、中国政府が過去3年間「より洗練された、より隠密的かつ強引な」手法を用いて、中国を批判する報道を抑圧し、各国のメディアへの影響力を強めていることが明らかになった。

昨年3月、クウェートのアラブ・タイムズ紙が中国共産党の圧力を受けて、台湾の呉釗燮外相のインタビュー記事を取り下げた。台湾外務省は「主権国家の報道の自由に対する北京の侵害は間違っており、受け入れられない」と批判した。

一方で「中国におけるウイグル人や法輪功学習者への迫害のようなトピックを含め、民主主義国のジャーナリストなどが、事実に基づいた報道のために立ち上がっている」とクック氏は言う。「イタリアでの出来事はまさにこの一例だ」「多く地元のジャーナリストは、(中国の脅迫行為に)憤慨し、大使館の要請を拒んでいる」と述べた。

(翻訳編集・山中蓮夏)

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