中共がどのようなリスクに直面しているのか、そして、なぜ習近平氏が李強氏に演説させず、自ら前に出て、演説を行ったのか。 (Photo by Feng Li/Getty Images)

「目標は完全支配」習氏の台湾発言に米共和党議員ら警鐘鳴らす

16日に開幕した中国共産党大会で、習近平国家主席が台湾統一のためには武力行使も辞さない姿勢を示した。これについて米国の議員らは「国際的な安定に対する直接的な脅威になる」と警鐘を鳴らした。

政策の基本方針などを決める5年に1度の共産党大会で、習氏はおよそ1時間半にわたり演説を行なった。基本的人権を無視した新型コロナウイルス感染対策である「ゼロコロナ」の成果を強調するとともに、台湾統一にはあらゆる手段を講じると述べた。

米共和党議員らは習近平氏の演説について、中国共産党がその圧政を国際社会に輸出しようと試みるシグナルだと受け止めている。

1週間にわたる党大会で、習氏の異例の3期目就任が確実視されており、毛沢東に並ぶ権威あるポストに就くと指摘される。

習氏は演説で、マルクス主義が中国政治指導部の「基本的な指導思想」であるとし、香港と同様に中国共産党の完全な支配下に置かれるべきだとする台湾について、平和統一を掲げるも「武力行使を約束しない」と誓った。

「完全支配」を狙う中国

8月に訪台したマーシャ・ブラックバーン上院議員は17日の声明で、中国共産党の目標は「完全支配」にほかならないとし、「米国はこのならず者の独裁政権に毅然と立ち向かい、彼ら(の思惑)が成功しないように国防を強化する必要がある」と述べた。

ブラックバーン氏によれば、中国共産党は「米国及び世界中の自由を愛する同盟国に挑戦するために、かつてないほど準備を進めている」という。

習氏は、中国共産党の監視国家と軍事力を拡大することを前面に押し出し、演説の中で90回近く「安全」という単語を使用した。西側諸国は、習氏が少数民族や反体制派に対する弾圧をさらに強化することを準備をしている可能性が高いと警告している。

マルコ・ルビオ上院議員は、党大会に先立ち声明を発表した。「中国共産党は、台湾をめぐる戦争により積極的になり、国内外でより抑圧的になり、ビジネスを一層支配し、米国が主導する規則に基づく世界秩序を覆すことに、より固執するようになるだろう」と述べた。

マイク・ギャラガー下院議員は、中国共産党の台湾侵攻を米国が積極的に抑止しなければ、米国と中国の直接対決に発展する可能性もあると示唆した。

「台湾への安全保障支援の提供、軍需品生産の最大化、そして米軍の展開」を挙げ、台湾の防衛力強化を支援する必要があると訴えた。

(翻訳・山中蓮夏)

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