2020年米国勢調査の広告、参考写真 (Photo by ROBYN BECK/AFP via Getty Images)

2020米国勢調査に誤り…選挙結果を左右 民主党有利、共和党不利に

2020年に行われた米国勢調査で誤りが発覚した。このため議席数と大統領選挙人の数が変わり、選挙結果に影響を与えたと見られている。当局は誤りを認めたが、2030年に行われる次回の国勢調査の結果を待たなければ修正できないと述べた。

共和党優勢の州で人口が過小に計算されたために、議席数及び大統領選挙人団の数が3枠減少した。一方民主党優勢の州では過集計され、それぞれ1枠増加し、本来なら負けていたとみられる州で複数の勝利をおさめた。

当局は統計の誤りについて認めたが、2030年に行われる次回の国勢調査の結果を待たなければ修正できないと述べた。

複数の専門家や米国議会議員はかねて国勢調査には誤りが生じており、解決されていないと指摘する。

ヘリテージ財団の選挙法改革イニシアティブのマネージャーであるハンス・フォン・スパコフスキー氏は、「国勢調査では一貫して共和党が基盤とする州で人口が過小に計算され、民主党が基盤とする州で人口を多く計算されている」と述べた。

スパコフスキー氏は、これを「奇妙な偶然」だとし、「米統計局はいまだに統計ミスの原因とプロセスをはっきりと説明していない」とした。

選挙区割りの問題に焦点を当てている保守的なNPO組織、「フェア・ラインズ・アメリカ(FLA)」はこの問題にいち早く警鐘を鳴らした。

FLA及び「ナショナル・リパブリカン・リディストリクティング・トラスト(NRRA)」の理事長を務めるアダム・キンケード氏は、「統計ミスに一定のパターンがみられるのは、どう見ても懸念されるべきことだ」と述べた。

米統計局は、14の州で統計学上の重大な誤りがあったことを認めた。フロリダ州などを含む6つの州では人口が過小計算され、このうちイリノイ州を除き、全て共和党が基盤としている州だ。一方、マサチューセッツ州などを含む8州では過剰計算された。このうち、オハイオ州とユタ州を除くすべての州は民主党が支持基盤としている。

比較までに、2000年度と2010年度の国勢調査では、いかなる州も重大な統計ミスは発生していなかった。

2020年度の米国勢調査に見られるミスパターンは、重大な誤りに至らなかった州でも確認できる。米国50州のうち、民主党が基盤とする州では、2州が過小に計算された。一方、民主党優勢の12州で少なくとも1%以上の過剰統計が発生し、共和党が基盤とする州での過剰統計は5つだった。両党の勢力が拮抗する州では、比較的正確な統計結果となる傾向が見られた。

専門家らは、このようなミスが生じた原因として、2020年の新型コロナウイルス感染拡大が挙げている。パンデミックに伴って集計調査は難航し、一部の場所については行政記録を用いて予測する作業が行われた。こうした統計方法により不透明さが増したとされる。

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