「規則正しい生活」が髪に栄養をもたらす【十二時辰】

くせ毛や抜け毛は、多くの人の悩みの種になっています。しかし、毎晩コンスタントに23時前に就寝することができれば、抜け毛を減らし、髪質も改善することができます。

1日の「十二時辰」(中国昔の時間を表す単位で、一時辰=2時間)は、12の内臓に対応しています。

漢方医学には、「肺寅大卯胃辰丘宮,宮脾巳心午小未中,申胱酉腎心包戌,亥焦子胆丑肝通」という「十二経納地支歌」があります。

この歌は、1日の「十二時辰」を人体の12の臓器に見立てたものです。例えば「肺寅」とは、『寅時』(3時から5時)には肺が対になり、咳や喘息の患者は、この時間帯には症状が悪化しやすくなります。『卯時』(5時〜7時)に大腸が対になり、大腸が活発になります。『辰時』(7〜9時)は胃が対になるので、この時間帯は朝ご飯を食べるのに適します。

漢方医学では、1日のうちで時間帯によって対応する臓器が異なるとされています。
(イラスト:大紀元)

早寝で抜け毛を改善

『子時』(夜11時から午前1時)は胆が対になり、『丑時』(午前1時から3時)は肝臓が対になります。肝胆相表里(漢方医による臓器の理論)では、互いの機能に影響を及ぼし合っています。

肝血、血液が足りなくなると体に支障をきたします。

漢方医は「人動、則血行于諸経、人静、血帰于肝」と言い、つまり、人が動くと血液が経脈を通り全身をめぐるが、睡眠に入る時は、血液が肝に戻るということです。肝臓は血液を養うことができます。

夜11時、人が寝なければ肝血を傷つけ、更に午前1時、肝臓の対となっても、まだ寝なければさらに体を傷つけます。寝ない習慣になると、抜け毛の問題が出やすいです。

これは「髪は血の末端」であり、髪は血によって養われ、血が十分に行き渡れば髪に栄養を与えることができるからです。毎日遅くまで寝ていると、肝臓が血液に栄養を与えず、血液が髪に届かなくなります。その結果、髪に栄養が行き渡らなくなり、当然、くせ毛になり、抜け落ちることになるのです。

それだけでなく、「腎には精が宿り、その輝きは髪に宿る」という言葉のように精と血は同源であるため、血が少ないと腎精も不足することになります。そして、髪の潤いや活力が失われてしまうのです。

ですから、「規則正しい生活」の習慣を身につけるのが一番です。夜11時前に寝る習慣をつけると、血液に栄養を与えて髪を維持し、ツヤのある髪にし、抜け毛を減らすことができるのです。 眠れなくても、ベッドに横になって目を閉じ、眠りにつくようにしましょう。

長い間、夜更かしをしていると、最初のうちはあまり影響を感じませんが、それが習慣づくと、確実に体に支障をきたすことになります。抜け毛はまだ軽い問題で、他のもっと深刻な病気を引き起こす可能性があります。特に女性は、深夜1時以降に寝ると、生理不順や血液の病気になることがあります。

陳德成
ニューヨーク中医薬研究所所長。