若く見えるか老けて見えるかの鍵は、顔のコラーゲンの損失の度合いにあります。コラーゲンの損失を遅らせるにはどうすればいいでしょうか? 健康サプリメントを摂取したり、スキンケア製品を塗ったり、それともより効果的な方法があるのでしょうか? 台湾の皮膚科医師である胡怡萱氏が、コラーゲンの減少を遅らせ、さらにはコラーゲンの生成を刺激して、同年代の人よりも若くみられる方法を教えてくれます。
コラーゲンは人体の総タンパク質の約30%を占め、人体の皮膚、骨、筋肉、腱、靭帯、その他の結合組織の主成分であり、全身に構造、強度、サポートを提供します。市場にはさまざまな種類のコラーゲンサプリメントが出回っていますが、胡怡萱氏は、経口摂取であれ外用であれ、その違いは顕著ではなく、それを裏付ける明確な科学的証拠も不足していると述べています。
肌の老化を防ぐ2種類のスキンケア製品
コラーゲンは皮膚が直接吸収することができない大きな分子である為、スキンケアでは、ボツリヌス毒素様ペプチドとして知られるトリペプチド、テトラペプチド、ペンタペプチド、ヘキサペプチドなどの小分子アミノ酸を補給すること、または、コラーゲンの生成を刺激してコラーゲンの損失を減らし皮膚の弾力性を維持する事に重点を置く必要があります。
1.コラーゲンの増殖を促進する
現在、市場で最も人気のある成分はレチノール系です。胡怡萱氏によると、レチノール、レチニルパルミテート、レチンアルデヒドは、皮膚に吸収された後、最終的にはすべてレチノイン酸に変換されると述べました。
レチノイン酸は肌の角質層の新陳代謝を刺激し、それによってコラーゲンの増殖を促します。
2.抗酸化・抗損失
皮膚の老化は主にフリーラジカルよる酸化ストレスによって起こります。フリーラジカルを減らすことで、コラーゲンが分解される可能性を低下させることができます。
グルタチオン、レスベラトロール、ビタミンC、Eなどの抗酸化成分は、コラーゲンを損傷から保護するのに役立ちます。
胡怡萱氏は、抗酸化スキンケア製品は少なくとも28日間、つまり1つの皮膚代謝サイクル以上使用する必要があり、そうしてはじめて効果が見られると注意を促しています。
筋肉の増強に役立つ2種類の食べ物
食べ物は胃や腸で消化吸収された後、栄養素が体中に行き渡り、人によって吸収率や利用率が異なるため、経口摂取によるコラーゲンの有効性を裏付ける明確な科学的証拠はありません。
胡怡萱氏は、「食事のバランスが悪く、炭水化物の摂取が多すぎてタンパク質の摂取が不足している場合、コラーゲンの補給で著しい効果が見られる可能性があるが、栄養バランスが取れていて生活リズムが正常な人にとっては、効果はあまり顕著ではない」と述べています。
また、胡怡萱氏は、コラーゲンを増やしたい場合、日常の食事から始めるべきで、良質なタンパク質と抗酸化栄養素(ビタミンC、Eなど)を含む食品を多く摂取することを勧めています。
1. 高品質のタンパク質
コラーゲンを補給する鍵は良質なタンパク質の摂取にあります。卵、乳製品、豆類、肉はすべて良い供給源です。ベジタリアンの場合は、大豆、豆腐、ひよこ豆などの豆製品を多く食べて、十分なタンパク質を摂取することです。
2. 抗酸化作用のある果物と野菜
ベリー類、トマト(リコピンを含む)、サーモン(魚油はビタミンEが豊富)、アブラナ科の野菜は、すべてコラーゲンの損失を減らすのに役立ちます。さらに、ビタミンCはコラーゲン合成の重要な因子であり、適量を補給すべきです。
サプリメントで補給する場合、胡怡萱氏は、現在サプリメントの効果を判断する明確な基準はないものの、国際的な「大手ブランドの製品を選ぶこと」を勧めています。これは、一部のブランドが被験者テストを行っており、安全性と効果についてより根拠があるためです。ただし、重要なのは個人の体質が効果的に吸収、消化し、利用できるかどうかです。
運動が肌の弾力を保つのに役立つ
胡怡萱氏は、適切な運動習慣は血液循環を促進し、肌の弾力性を維持するのに不可欠であると強調しています。世界保健機関は週に5日、1回30分以上、心拍数130回/分の運動をする「533トレーニング法」を推奨しています。又、全体的なコンディションを改善するには、週2回筋力トレーニングを行うことが最適です。
もちろん、予算が十分にある場合は、美容医療(ラジオ波リフティング、超音波リフティング、ヒアルロン酸注射など)もコラーゲン生成を刺激する方法です。

老化を防ぐために避けるべき3つの行動
胡怡萱氏は、日常生活の3つの行動を避けることが、顔の老化を効果的に遅らせるために重要であると強調しています:
1.睡眠の質が悪い
良質な睡眠はコラーゲン合成の重要な要素です。夜間は体の修復と再生の重要な時期であり、十分な睡眠を確保することで、コラーゲンの再生を含む体内の修復プロセスを助けることができます。不規則な生活リズムや睡眠の質が悪いと、体の修復と再生に影響を与え、結果としてコラーゲンの自己生成能力を低下させます。
2.揚げ物や濃い味付けの食事を好む
揚げ物や濃い味付けの食事は、体の炎症を引き起こす重要な要因です。炎症環境はコラーゲンの増殖に良い影響を与えません。高脂肪、高塩分、高糖質の食事を減らすことで、炎症のリスクを下げることができます。
3.紫外線による損傷
紫外線は肌の老化の最大の敵です。長時間の日光浴はコラーゲンの損失を加速させます。胡怡萱氏は、多くの屋外スポーツ愛好家が日焼け対策を怠っていることを指摘しています。運動によって筋肉はより弾力的になりますが、露出した肌は日焼けによるダメージを受け、逆に老けて見えてしまいます。

(翻訳編集 里見雨禾)
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