クルクミンは、認知機能に長期的な影響を及ぼすことがある脳内の炎症を予防します。 (Shutterstock)

有益な作用のある【クルクミン】6つの方法で効果倍増(1)認知症予防

クルクミンは薬効が高く、少量ずつ18カ月間摂取することでアルツハイマー病に関連する脳プラークを減少させることができることが明らかになっています。しかしこの強力な効果を発揮するクルクミンの吸収率は1%以下です。では、どのように摂取すれば、より吸収されやすくなるのでしょうか?

ウコンの生理活性成分として最も研究が進んでいるクルクミンは、160以上の潜在的な治療活性があることが示されています。その効能の多くは、肥満やメタボリックシンドロームから心臓病や認知症まで、ほとんどの慢性疾患の特徴である炎症を緩和する能力に起因しています。

重要なのは、クルクミンが血液脳関門を通過し、強力な神経保護作用を示すことで、神経変性疾患への有用性が期待されることです。カリフォルニア大学の研究者たちは、最近、認知機能に長期的な影響を及ぼす脳内の炎症を防ぐことができるのを明らかにしました。

ウコンの生理活性成分として最も研究が進んでいるクルクミンは、160以上の潜在的な治療活性があることが示されています。(Shutterstock)

クルクミンで認知症予防

《アメリカ老年精神医学雑誌》(American Journal of Geriatric Psychiatry)誌に掲載されたプラセボ対照二重盲検比較試験で、50歳から90歳の、認知症と診断されていない軽度の記憶喪失である40人を対象に、一方のグループには90mgのクルクミンサプリメントを1日2回、もう一方のグループにはプラセボをそれぞれ18ヶ月間投与するよう無作為に割り当てました。

その間、試験開始時とその後6カ月ごとに標準的な認知機能評価を実施し、試験開始時と終了時にも血中クルクミン濃度を測定しました。さらに、そのうち30名の被験者には、治療前後に電子断層撮影法(PET)を行い、アルツハイマー病のリスクと強く関連するタウ・タンパク質の沈着量を評価しました。

その結果、クルクミンを摂取した人は記憶力と集中力が向上したのに対し、対照群ではそうでないことがわかりました。PETスキャンでは、記憶と感情を司る脳の領域でのタウ・タンパク質の蓄積が、対照群と比較して少ないことが確認され、全体として、クルクミングループは1年半の治療期間中に記憶レベルが28%上昇したことが示されました。

クルクミンは強力な神経保護剤である

2012年にBrain Research《脳研究》誌に掲載された論文によると、クルクミンは脳由来神経栄養因子(BDNF)のレベルを増加させる可能性があり、これもうつ病やアルツハイマー病に伴うBDNFレベルの低下による神経保護作用のメカニズムのひとつと考えられているそうです。

また、2011年のEuropean Journal of Nutrition《ヨーロッパ栄養学雑誌》誌の別の研究では、クルクミンが体内のいくつかの代謝経路に影響を与え、インスリン拮抗作用や高脂血症などメタボリックシンドロームや肥満に伴う症状を回復し、認知症やアルツハイマー病のリスクを低減する可能性があることが明らかにされています。日本の福岡で、死後の高齢者の脳を調べたところ、高血糖の人は脳内のアミロイド斑のレベルが高く、糖尿病の人は非糖尿病の人に比べてアルツハイマー病のリスクが65%も高いことがわかったといいます。

(つづく)

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