里芋は女性の容姿を美しくし、体をスリムにするだけでなく、子沢山で幸せになり、家族を繁栄させると古くから言われています。現代の栄養学では、里芋は低カロリー、低脂肪で栄養バランスがよく、血糖値を下げ、更年期障害を緩和し、抗がん作用もあるとされています。
里芋は子沢山で幸せ
現代の栄養学的な研究がなかった古代日本で、なぜ里芋をよく食べていれば子孫繁栄ができると信じられていたのでしょうか。それは里芋の親芋に節ごとに一つの芽から、「子芋」、その子芋からまた「孫芋」が、そしてどんどん曽孫や玄孫芋などができます。この増え様は子孫繁栄した家族のようなもので、そのため昔の人は、里芋は女性をいたわり、子沢山にして幸せにすると考えていました。子供が多くて幸せであるということは、体の健康や美しさを意味します。
現代人は、このような古来からの言い伝えを、縁起をかついだもの、あるいは迷信と考えています。実は、この認識は中医学の道理に符合するだけでなく、更に天人合一、自然に倣うという古代の宇宙観の現れでもあるのです。例えば、肝臓を食べて肝臓を補い、腎臓を食べて腎臓を補います。また、大豆や黒豆などの豆類は、人体の腎臓によく似ているので、豆の食べ物が腎臓を補います。ただし、寒熱陰陽の性質に注意して、自分の体質に合ったものを選びましょう。
昔の人の知恵は単純で賢明で、自然から学び、子沢山になりたければ、子沢山の食べ物を探したのです。老子も「人は地にのっとり、地は天にのっとり、天は道にのっとり、道は自然にのっとる」と説いています。
子供が多いのはいいが、今日の人はあまり大事にしていないようだ、と言う人もいるかもしれません。実は、子沢山体質の女性は健康であることが多いのです。子供が増えても増えなくても、里芋の力を借りて体は健康でスリムになり、顔は美しく滑らかになるのです。
里芋は女性をバラ色にする天然の美容食品
里芋は江戸時代の大奥の女性の三大美容食の一つとして知られ、伝統的な美容食として庶民にも紹介されていました。
現代の研究結果、里芋にはタンパク質、カルシウム、リン、鉄、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、カロチン、ビタミンC、B群、サポニンなどが豊富に含まれているだけでなく、血行を良くし、女性ホルモンのバランスを整え、体を温め、現代女性の子宮冷えの症状を改善し、胃腸の冷えや冷え症にも効果があるとされています。 子宮冷えは不妊症ですが、温められた子宮は子宝に恵まれ、生理がスムーズになり、血液が調和してバラ色の顔色になります。
里芋は「地下のリンゴ」と呼ばれるジャガイモと栄養が非常に似ているだけでなく、老化の原因となる体内に蓄積されたさまざまな酸性物質を中和し、体の酸・アルカリバランスを整えるアルカリ性食品で、美肌・美髪効果や胃酸過多の防止にも効果があります。里芋は発芽させても無毒ですが、しっかり煮込まないと食べられません。
また、里芋に多いミネラルの中にはフッ素が多く含まれているため、虫歯を防いで歯を保護する効果があります。
中医学では、里芋の性質は穏やかで、補中益気、生精補髄、腎臓と肝臓に養生と養護の作用があると考えられています。たくさん分泌される粘液蛋白が胃腸と肌の粘膜を保護してくれるので、肌が健康で弾力性があるだけでなく、先天の本(腎)と後天の本(胃腸)を健康に保つことができます。
里芋の色が白く、肺に栄養を与え、痰を溶かす働きがあります。
里芋の抗がんと解毒効果
里芋に含まれる粘液タンパク質は、体内に吸収されると免疫グロブリン、つまり抗体グロブリンが作られ、体の抵抗力を高めます。漢方医学では里芋は解毒作用があると考えられており、ガンを含む体の膿みや痛みを抑制し、ガンやリンパ腫に効果があるとされています。
里芋は栄養が豊富なため、各種の偏食による現代病・生活習慣病を中和し、本質的に人体を改善し、免疫機能を強め、解毒作用と抗がん作用があることから、抗がん薬膳の主食とされることもあります。がんの手術や術後の放射線、化学療法およびそのリハビリにおいて、特定の患者の体質を強化し、治療を補助するために使用されています。
また、女性ホルモンのバランスをとり、血糖や血中コレステロールを下げる作用があり、体の陰陽のバランスをとることで、血圧が高く、高脂血症、便秘、慢性腎臓炎、赤痢便血などの各種の慢性疾患を正常に導く作用があります。里芋は普段の生活の中で野菜や主食でもあります。 繊細で美味しく、消化しやすく、体質の弱い人に向いています。
(翻訳 源正悟)
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