GI値が高い食品には注意!!血糖値を上げない、糖尿病にならない食べ方TOP3(下)
(つづき)
2.グリセミック負荷(GL)が高いほど、血糖値の上昇時間が長くなる
糖尿病や腎臓病の治療を行う古佳衢氏によると、グリセミック負荷とは、摂取した炭水化物の量が血糖の吸収量全体に影響を及ぼすことを指します。簡単に言うと、GI値は血糖値の上昇の速さ、GL値は血糖値の上昇の長さを表しています。
ハーバード大学の大規模研究で、GL値の高い食品の慢性的な摂取が2型糖尿病と関連していることが明らかになりました。
しかし、GI値の低い食品を食べる場合でも、注意は必要です。例えば、低GI値のパスタを一度にたくさん食べて炭水化物の摂取量を増やすと、GL値が高くなるため、血糖値が上がりすぎてしまうことがあります。また、GI値は低いが炭水化物が多いバナナは、血糖値の上昇が緩やかになりますが、上昇が長く続き、ゆっくりと下がっていきます。
血糖値を上げない主食の食べ方3選
血糖値を上昇させる炭水化物、特に全粒粉、果物、乳製品を食べる場合、血糖値の過度な変動を防ぐいくつかの方法があります。
1.レジスタントスターチを増加させる
食品に含まれる「レジスタントスターチ」(RS)の量を増やすと、血糖値のコントロールやインスリン感受性の向上に役立ちます。レジスタントスターチには、一般的に次の4種類があります。
RS1:穀物、種子、豆類に多く含まれています。「フードマトリクス」(食品に含まれる化合物を保持する母体となる食品の高分子成分)に埋め込まれ、すり潰したり、噛んだりすることで、量を増やすことができます。
RS2:生のジャガイモや未熟な青バナナを含む一部のでんぷん質の食品に含まれます。このタイプのでんぷんは、もともと抵抗力がありますが、食品が熟成したり調理されたりすると減少します。
RS3:レジスタントスターチは、加熱してから冷却することで生成されます。例えば、熱を加えた後に冷ましたご飯やパスタ、ジャガイモ、焼いた後冷ましたパンなどです。
RS4:化学的に加工されたレジスタントスターチは、栄養価の低い精製穀物粉に代わる機能性食品添加物として使用されています。
レジスタントスターチは、食後の血糖値を下げるだけでなく、2回目の食事まで効果を持続させることができます。例えば、レジスタントスターチを使った朝食を食べると、昼食時の血糖値の上昇を抑えることができます。
2018年の研究では、レジスタントスターチを摂取した被験者は、対照群と比較して食後血糖値が33%、ピーク血糖値が8%、食後インスリン値が38%低下しました。
2.調理方法と食べる順番に気を配る
注意すべきは、調理時間や調理方法によって、でんぷんの構造や性質が変化することです。
パスタやご飯などでんぷん質の食品は、長く加熱するほど柔らかくなり、消化吸収されやすくなるので、結果的にGI値が高くなります。
サツマイモやジャガイモなどは、蒸し焼き、または炙り焼きするとGI値が上がります。他には、茹でてから冷やす方法もレジスタントスターチを増やすことができます。
また、食事の順番も重要です。古佳衢氏によると、血糖値をコントロールする正しい食事の順番は、食物繊維(野菜)→たんぱく質(豆、卵、肉)→でんぷん(米、麺)だそうです。
これは、食物繊維が炭水化物の消化吸収を遅らせ、タンパク質が血糖値が急激に上がらないように緩衝材として働くからです。野菜や肉を先に食べることで満腹感も増すので、でんぷんを食べ過ぎないようにすることもできます。
3.高GI食品と低GI食品の併用
バナナ、マンゴー、パパイヤなど、GI値の高い食品は栄養価が高いものが多く、適度に食べたり、低GI食品と組み合わせて血糖値への影響をバランスよく調整することが必要です。
高GI値の精製主食の中には、低GI値の食品と一緒に摂取することができるものもあります。 陳小薇氏は白米を炊くときに、雑穀や玄米を混ぜるとGI値が下がると紹介しました。
これからはなるべくGI値が低〜中程度の食品を選びましょう。
例:玄米、キヌア、ソバ、オーツ麦、パスタ、落花生、里芋、非でんぷん質の野菜、ナッツの種、豆、ナシ、リンゴ、イチゴなど。
GI値の低い食品には、加工度の低いもの、無添加、小麦粉を使わないもの、食物繊維を多く含むもの、脂肪や酸を含むものなど、糖への変換が遅いという特徴があります。
ただし、前述の通り、GL値の上昇を避けるために摂取量に注意することが大切です。
(完)