ガラス瓶に入ったグミ。2009年に撮影(Justin Sullivan/Getty Images)

お菓子などに含まれる合成着色料「アルラレッドAC」…大腸炎を誘発=研究

最近の研究により、一般的に使用されている合成着色料「アルラレッドAC(赤色40号)」の長期摂取が、炎症性腸疾患(IBD)や大腸炎を誘発する可能性があることが明らかになった。

アルラレッドACは、米国食品医薬品局(FDA)が食品への使用を認可した9つの合成着色料の一つ。日本では1991年に使用が許可され、キャンディやチューインガム、清涼飲料水などに使用されている。

カナダのマクマスター大学の研究者は、12週間にわたりマウスに異なる餌を与え、アルラレッドACが腸の健康に及ぼす影響について研究した。1群に通常の餌を与え、もう1群には毎日ARを添加した餌を与え、さらにもう1群には週に1回だけARを添加した餌を与えた。

その結果、アルラレッドACを毎日摂取したマウスは、軽度の大腸炎を発症した。一方で、1週間に1回アルラレッドACを摂取したマウスは大腸炎への影響がほとんど見られなかったことがわかった。餌の代わりに水にアルラレッドACを添加した場合も、同様の結果が見られたという。

そのほか、研究では幼少期にアルラレッドACを摂取すると、免疫力の低下や、成長後に炎症性腸疾患や大腸炎を発症する可能性が高くなることもわかった。

研究の筆頭著者であるマクマスター大学病理学・分子医学科のWaliul Khan教授は、同研究は「毎日摂取している食品色素の潜在的な害について、一般の人々に注意を喚起する上で、大きな前進となる」と述べた。

その上で、アルラレッドACの摂取は「特定のアレルギー、免疫障害、子どもの注意欠如・多動症(ADHD)などを引き起こすことが、文献によって示唆されている」とも指摘した。

カリフォルニア州政府が2021年に行った過去10年間の科学的研究のレビューによると、アルラレッドACを含む合成食品色素の摂取は、少なくとも一部の子どもたちに多動性などの障害を引き起こすことが確認された。

本研究は、12月20日付の学術雑誌「Nature Communications」に掲載されている。

(翻訳編集・徳山忠之助)

関連記事
立夏を迎えると、夏という最も暑い季節が始まります。夏は五行説では「火」に相当し、心臓に関連しています。そのため、暑さで体が熱くなりやすく、不眠の症状が出やすくなります。眠れなかったり、途中で目が覚めたり、夢を多く見てぐっすり眠れなかったりすることがあります。
多くの研究が示唆しているように、ナッツは心血管疾患およびそれによる早期死亡のリスクを低減する効果があります。ナッツを食べることの利点はどれくらいあるのでしょうか?なぜそんなに良いのでしょうか?注意すべき点は何でしょうか?
認知障害患者の数は年々増加し、毎年の新規症例は約1,000万件に達し、特に65歳以上の人々でより一般的です。研究によると、日常的に摂取する3種類の飲料が脳の健康に悪影響を及ぼしており、これらの糖分を含む飲料を避けることが重要です。中医師は健康に有益な自然な茶飲料を自家製することを推奨しています。
ブレインフォグはCOVID-19の一般的な後遺症であり、最新の研究では、血液脳関門の損傷がその原因の一つであることがわかりました。 血液脳関門(Blood-Brain Barrier、BBB)は、脳血管内皮細胞と周囲の細胞から構成され、血液と脳の間の分子の出入りを調節し、中枢神経系を血液中の外部物質、ホルモン、神経伝達物質から守ります。血液脳関門が損傷されると、有害物質が脳に入り込み、中枢神経系の疾患を引き起こすことがよくあります。
人はどのくらい長生きできるでしょうか?また、どのくらいの年齢まで働くことができるでしょうか?今年7月で101歳の誕生日を迎えるアメリカの神経科医、ハワード・タッカー氏(Howard Tucker)は、1947年から医師として活動を始め、最近まで診療を続けていました。