2020年8月7日、アイフォンに表示されるティックトックのアプリ (Drew Angerer/Getty Images)

英議員「TikTokアプリを削除せよ」中国監視を警告

英下院外交委員会のアリシア・カーンズ委員長は5日、国家安全保障の懸念から、中国の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を削除するよう警告を発した。

カーンズ氏は出演した英スカイニュースで「中国は脆弱性を突き、英国人のデータを背景に技術全体主義国家を築こうと目論んでいる」と指摘。情報の監視といった脅威から個人データを守るために、英国民はTikTokを削除するべきだと述べた。

また、米国の上空で確認された中国の偵察気球に言及した上で、情報の浸透工作といった脅威も見過ごせないとした。「英国のさらなる懸念は、他国に逃れた人々を威嚇するため中国企業を従わせる中国(共産党)の工作だ」と強調した。

外交委員会委員長であるアリシア・カーンズ議員は9日の議会、調達法案について弁論する(英下院中継スクリーンショット)

ユーザーの位置情報やキー入力の監視など、TikTokのセキュリティリスクをめぐり、英高官や専門家からも懸念する声が上がる。

英国のトマス・タジェンダット安全保障相は12月、中国共産党政権は「かなり影響力のあるアルゴリズム」を有するため、TikTokは世論に偽りのシナリオを押し付ける強力なツールになり得ると警告。

ヘンリー・ジャクソン協会の中国専門家ミーガン・プラングリー氏もエポックタイムズの取材で、TikTokの運営元バイトダンスには「中国共産党の内部委員会がある」ため、従業員はデータを政府に提供するよう強要される可能性が高いとした。

いっぽう、TikTokの広告担当者は「今年からアイルランドのデータセンターで英国のユーザーデータを保存するなど、欧州外へのデータフローを最小限に抑えるなどの措置を取っている」と安全性を強調している。

英議会は昨年8月、中国政府の制裁対象となっている英議員らの警告を受けて議会のTikTok公式アカウントを閉鎖した経緯がある。保守党のイアン・ダンカンスミス元党首を含む6人の議員らは、中国が2017年に制定した国家情報法のもと、中国企業は要請に応じて「当局にデータを提供する必要がある」と警鐘していた。

関連記事
15日 ロイター] - 中欧スロバキアのフィツォ首相(59)が15日、中部ハンドロバで銃撃され、重傷を負った。一時は深刻な容体とされたが、政府高官によると、搬送先の病院で治療を受けて生命の危機は脱した。
8940億ドルの2025会計年度国防予算を議会が今後数週間で審議する予定だ。ロバート・ピーターズ氏は、ロシアの戦術核兵器の優位性は「最も緊急の注意を要する」と述べた。
ロシアが最近行った戦術核兵器使用の威嚇を一見すると軽視されがちだが、「ウクライナ国外」の英軍施設への攻撃という状況は、あからさまな警戒とまではいかないまでも、注目を集めるものだ。
ウクライナ保安庁(SBU)は7日、ゼレンスキー大統領と複数の高官を対象としたロシアの暗殺計画に関与したとして、国家反逆などの容疑でウクライナ国家警備局の大佐2人を拘束したと発表した。
5月6日、米国ホワイトハウスは、ロシアによる法輪功学習者の逮捕に対して、再び声を上げ、中共とロシアの関係の強化に懸念を表明した。 中国での法輪功学習者に対する迫害は、生きたままの臓器収奪を含めてすでに有名だが、先週、ロシア警察が突然4名の法輪功学習者を逮捕し、その中の46歳のナタリア・ミネンコワさんが2ヶ月間の拘留を受けたことが判明した。