2022年12月下旬、中国人民解放軍が過去最多の戦闘機と艦船を台湾近海へ派遣した後、澎湖馬公軍事基地で訓練を行う台湾軍兵士。(Getty Images)

米軍、台湾派遣部隊を4倍超増員へ 中国による侵攻に備え訓練強化=報道

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは23日、米軍が向こう数カ月以内に台湾に派遣する部隊を昨年の30人程度から100〜200人と4倍超に増員すると報じた。台湾への米兵派遣はここ数十年で最大規模となる。

海兵隊の兵士と特殊作戦部隊が派遣される。米国が売却した武器の訓練を施すほか、中国軍が台湾への軍事的圧力を強めるなか、中国軍による台湾侵攻を想定した軍事演習も行う予定とされる。

台湾の蔡英文総統は2021年10月、米CNNのインタビューで米軍が台湾軍に訓練を実施していると明言していた。米国本土でもミシガン州兵が台湾軍に訓練を実施しているという。

中国政府は米台の動きに神経をとがらせており、反発は必至とみられる。

米国防総省の報道官を務めるマーティン・マイナーズ中佐は、「具体的な作戦行動や連携、訓練に関してコメントしないが、台湾への支援と防衛関係は依然北京がもたらす現実的な脅威への対応だということを強調したい」と電子メールで述べた。

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