米商務省のアラン・エステベス次官(産業安全保障担当)は28日、ブラックリストに掲載されている中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)に対し「5G(第5世代移動通信システム)レベル」に達しない米技術の一部輸出を企業に認めているトランプ前政権の政策を審査していると述べた。(2023年 ロイター/Eric Gaillard)

米、中国の制裁対象企業に230億ドル超の技術輸出許可=共和議員

[28日 ロイター] – 米共和党のマイケル・マッコール下院議員は28日、ブラックリストに掲載されている中国企業に対する米企業による技術輸出額が、昨年第1・四半期に230億ドル以上に上ったと述べた。

下院外交委員会の委員長を務めるマッコール下院議員は議会公聴会で、商務省は「米国の重要な技術の敵対勢力への売却を容認するライセンスを発行し続けている」と述べ、当局を厳しく追及。輸出規制を監督する商務省が拒否した中国企業への技術輸出申請は、昨年第1・四半期にわずか8%だったとも指摘した。

米下院で多数派を占める野党・共和党は民主党のバイデン政権に対し、中国への米機密技術の輸出を幅広く取り締まるよう圧力を強めている。

こうした中、商務省のアラン・エステベス次官(産業安全保障担当)は28日、ブラックリストに掲載されている中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)に対し「5G(第5世代移動通信システム)レベル」に達しない米技術の一部輸出を企業に認めているトランプ前政権の政策を審査していると述べた。

議会公聴会で、技術供与に関する前政権の規則ではファーウェイに対して「5Gやクラウドレベルに達しない」技術を輸出することをなお認めており「それらは全て審査中だ」とした。

エステベス次官はこのほか、中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)は「脅威」との認識を示し、米国への外国投資を審査する委員会がTikTokの扱いを検証していると明らかにした。

TikTokは声明を出し、自社は「米国におけるTikTokに関する国家安全保障上の懸念に対処する計画について2年以上」対米外国投資委員会(CFIUS)に協力してきたと説明した。

民主党のグレゴリー・ミークス下院議員は、認可と拒否のデータからは取引に関する情報が得られないと指摘し、許可件数の数字を深読みしないよう注意を促した。

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