世界有数の産油国であるアラブ首長国連邦(UAE)へのロシア産原油の輸送が増加したことが、船舶追跡データや取引関係者の話で分かった。2018年2月撮影(2023年 ロイター/Vladimir Soldatkin)

ロシア産原油、UAEへの輸送増加 湾岸産油国と関係深化

[ロンドン 6日 ロイター] – 世界有数の産油国であるアラブ首長国連邦(UAE)へのロシア産原油の輸送が増加したことが、船舶追跡データや取引関係者の話で分かった。欧米の対ロシア制裁を受け、従来のエネルギー貿易の流れが変化すると同時に、ロシアと湾岸産油国の協力関係が深化していることが浮き彫りになった。

UAEが具体的にいつからロシア産原油を輸入し始めたのかは不明だが、タンカー追跡データによると、2022年2月のロシアによるウクライナ全面侵攻開始と、その後の西側諸国の対ロシア制裁導入をきっかけに輸送量が増加した。

船舶追跡データによると、22年11月以降のロシア産原油のUAEへの輸送は約150万バレル。輸送は22年初に始まったか、もしくは増加したことが可能性があると見られる。

エネルギー分析会社ケプラーのデータによると、ロシア産原油のUAEへの輸送は19年には開始されていたが、22年4月以降に輸送量が増加。ただ22年7月から10月にかけて一時停止されていた。

リフィニティブのデータでは、ロシア産原油のUAEへの輸送は22年に開始され、同年4月に急増したことが示されている。

この件に関して、UAEとロシアのエネルギー省からコメントは得られていない。

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