経済産業省は31日、軍事転用の防止を目的に、半導体製造装置を輸出管理対象に追加すると発表した。写真は半導体のイメージ、2月撮影(2023年 ロイター/Florence Lo)

日本政府、半導体製造装置を輸出管理対象に 米が対中規制要請

[東京 31日 ロイター] – 経済産業省は31日、軍事転用の防止を目的に、半導体製造装置を輸出管理対象に追加すると発表した。中国の台頭を懸念する米国は、製造装置に強い日本とオランダに輸出規制の強化を求めていた。日本は管理対象の仕向け地を中国に限らず全地域とし、高性能装置の輸出を事前許可制とする。日本メーカー10数社が影響を受ける。

外為法の省令を改正し、輸出には経産大臣の事前許可が必要になる。パブリックコメントの募集を経て5月に公布、7月の施行を予定している。対象の仕向け地は全地域だが、輸出管理体制の状況などを踏まえ米国など42カ国向けは包括許可に、中国を含めその他向けは輸出契約1件ごとの個別許可とする。

東京エレクトロンが手掛けるエッチング装置やニコンが手掛ける露光装置など6分類23品目が対象で、回路線幅14ナノ前後よりも微細な先端半導体を製造できる高性能装置が規制される。経産省によると、10数社が影響を受ける。

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