パキスタン、IMF融資承認でも流動性リスク減らず=ムーディーズ
[ムンバイ 4日 ロイター] – パキスタンは国際通貨基金(IMF)の融資(スタンドバイ取り決め、SBA)が正式に決まったとしても、流動性リスクは高止まりする──。ムーディーズ・インベスターズ・サービスは4日、こうした見通しを示した。
6月30日にパキスタンとIMFは30億ドルのSBA実施を巡り事務レベルで合意し、デフォルト(債務不履行)危機はひとまず回避された。
しかしムーディーズは「政府の流動性リスクは依然として高い。新たなSBAが正式承認されたとしてもだ。パキスタンが9カ月のプログラム期間中に30億ドルを全て受け取れるかどうかは分からない」と述べた。
10月に選挙が控える中で、特に歳入引き上げ策の面で改革措置を継続するという政府の約束が試されるだろうという。
さらにムーディーズは、今回のIMFの融資規模自体も、パキスタンがあらゆる対外債務の返済に応じるには不十分になると指摘した。
ムーディーズは、パキスタンには向こう数年にやってくる多額の対外債務返済のために、より長期の資金調達計画が必要だと説明。選挙後にならないと新たなIMFのプログラムを適用できる可能性はなく、それまで二国間や多国間のレベルで融資資金を確保する余地は非常に限られると付け加えた。
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