中谷元・防衛相は24日の記者会見で、ベトナムに対する初めての防衛装備品移転が完了したことを発表した。
2021年9月、日本とベトナムは「日越防衛装備品・技術移転協定」を締結。これにより、日本はベトナムに防衛機器や技術を移転できるようになった。今回の移転は、同協定に基づいて行われ、具体的には、陸上自衛隊の中古資材運搬車(非タイヤでベルト状の履帯式)2台がベトナムに譲渡された。
中谷防衛相はこの移転の意義について、「ベトナムとの防衛協力・交流の推進は、インド太平洋地域の平和と安定に重要で、国防当局間の関係強化にも資する」と強調した。
この装備品移転は、日本とベトナムの防衛協力関係の深化を示す重要な一歩となり、両国の防衛協力強化によって、地域の安全保障環境の安定化に寄与することが期待されている。
日本のベトナムへの防衛装備品移転は、「自由で開かれたインド太平洋」構想の一環として、中国の影響力拡大に対抗する動きと見ることができる。
日本とベトナムは、中国の軍事的影響力の高まりに対する共通の懸念を背景に、防衛協力関係を強化している。
中国は南シナ海で攻勢を強めており、日本はこの地域での「力による一方的な現状変更の試み」に強く反対している。
ベトナムは中国との関係を維持しつつ、日本や米国と協力を強化することで、中国の影響力に対するバランスを取ろうとしている。
資材運搬車:https://www.mod.go.jp/j/press/news/2024/09/10a_01.pdf 防衛省
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