中国は、この措置は国家安全保障のためだと主張しているが、経済アナリストは、米国が中国への主要人工知能AI技術の輸出規制を決定したこと、またオランダが米国に続いてチップ製造装置の輸出を規制したことへの報復だとみている。写真はイメージ画像(NICOLAS ASFOURI/AFP/Getty Images)

中共の半導体原料輸出規制は却って対中依存を減らす=専門家

中国は、半導体の製造に使用される金属2種類に輸出規制を課すと発表した。 これを受け、各国は対中依存を減らす動きを加速している。

 

7月3日、中国商務省と税関総署はガリウムとゲルマニウムおけるその加工物の輸出規制を8月1日から行うと発表した。

 

中国は、この措置は国家安全保障のためだと主張しているが、経済アナリストは、米国が中国への主要人工知能AI技術の輸出規制を決定したこと、またオランダが米国に続いてチップ製造装置の輸出を規制したことへの報復だとみている。

 

専門家は、この規制の世界のチップ産業への影響は限定的だと考えている。 中国共産党(中共)のやり方は裏目に出るだけで、米国と欧州によるレアメタル産業の「リスク回避」の動きを加速させ、中共のガリウムとゲルマニウム生産における支配的地位が奪われることになるという指摘もある。

中共の動きは、中国への「サプライチェーンのリスクを減らす」という呼びかけを再燃させた。即ち、電気自動車用バッテリーのような、より広範な商品に使用される主要部品の加工と調達を、中国国外に求めることになる。

 

アナリストによると、これらの金属は石炭やボーキサイトの製造副産物であり、特に希少でも困難でもない。この措置は、米国と欧州の中国依存の低下を加速させ、価格が上昇して中国以外の生産を促すだけだと指摘している。

 

2022年、税関のデータでは、中国産ガリウム製品の最大輸入国は日本、ドイツ、オランダであり、ゲルマニウム製品の最大輸入国は日本、フランス、ドイツ、米国である。ドイツの産業界は、欧州とドイツは中国への依存度を早急に下げる必要があると述べた。 

▶ 続きを読む
関連記事
中国の8月経済指標は、消費低迷と輸出急増のねじれを示した。家計は借り入れより債務返済・資産保全を優先し、貿易黒字の拡大は米欧との摩擦を深めている
中国で出入国管理に関する新規定が9月15日に施行された。海外在住の中国人からは、帰国後に出国を制限されることへの不安も出ている。米国務省も中国渡航をめぐり注意を呼びかけている
中国の8月の若年失業率が18.9%に上昇し、1年ぶりの高水準となった。大学卒業者は過去最多の1270万人。失業給付の受給者も増えるなか、専門家は公式統計だけでは雇用悪化の実態を捉えきれないと指摘
東芝グループが上海に設立した半導体技術子会社が、約25年の事業を経て登記を抹消した。中国で日系企業の事業縮小が相次ぐなか、ジェトロの調査では中国事業の拡大意欲も過去最低となった
「ゴーストタウン」を目にし、企業関係者からは成長への懸念も。7年ぶりに中国を訪れた米議会USCC代表団が、現地で見た中国経済の変化を語った