現在米国では、女子競技の公平性と安全性を確保するという観点から、テキサス州やフロリダ州を含む22の州で生物学的な男性が女子競技に参加することを禁じている。 いくつかの州の中には拒否権を覆し同様の法案が成立した州もあり、ノースカロライナ州も拒否権を阻止する可能性がある. ノースカロライナ州のロイ・クーパー知事 (Photo by Chip Somodevilla/Getty Images)

男性選手の女子競技参加禁止法案に拒否権発動 米ノースカロライナ州知事

米ノースカロライナ州ロイ・クーパー知事(民主党)は5日、生物学的な男性が女子競技に出場することを禁じる法案に拒否権を行使した。法案は州議会で超党派の支持を得ていたものの、クーパー氏は「政治的な文化戦争を煽る必要はない」と断じた。

法案HB574は「生徒の性別は、出生時の身体的特徴と遺伝子のみに基づいて認識される」とし、中学から大学においての女性競技に生物学的な男性の参加を認めてはならないと定めていた。

クーパー氏は拒否権を行使した理由について「極めて少数の弱い立場の子供たちに対して、広範で無知な決定を下す」ことによって、政治的な「文化戦争」を煽ることになると主張した。また、法案は「州の評判と経済を傷つけるだけでなく、公正でも必要でもない」と強調した。

現在米国では、女子競技の公平性と安全性を確保するという観点から、テキサス州やフロリダ州を含む22の州で生物学的な男性が女子競技に参加することを禁じている。

いくつかの州の中には拒否権を覆し同様の法案が成立した州もあり、ノースカロライナ州も拒否権を阻止する可能性がある。HB574を共同提出した共和党のエリン・パレ下院議員は拒否権の無効化を示唆しており「女性スポーツの完全性を守り、安全で公平な競技場を確保する」と述べた。

クーパー知事は同日、HB574法案に加え、親が子供の教育と道徳的な育成を指導する権利を有すると規定する法案と、未成年者への性転換手術やホルモン療法を規制する法案にも拒否権を行使した。

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