新北市議員は臓器狩りに対処する決議案に賛成を示す(林仕杰/大紀元)

臓器狩り厳罰化を…台湾の地方議会でぞくぞくと法案可決

中国共産党による臓器狩りに対処するため、台湾では台北、桃園、新北、台南など地方議会でも厳罰化や啓蒙活動強化などを盛り込んだ法案の可決が進んでいる。

新北市議会では市政府に臓器狩り問題の啓発や海外の臓器取引の禁止の周知、刑事の厳罰化を市政府に求める議案が6月、可決した。議案は国際組織や各国政府の報告などを元に「臓器狩りは中国共産党政権による暴行」と記している。

長らく中国本土における残忍な臓器強制摘出の事件を耳にしてきたという提出者の李宇翔市議(民進党)は「決議を通じて、全台湾の人々にこの非人道的で非常に残忍な行為を知ってほしい」と語った。

周勝考市議(国民党)は、「臓器の強制的な摘出は絶対に許されない行為だ」と強調し、誘拐や臓器売買の被害を防ぐためにも臓器狩りの厳罰化が必要だと訴えた。戴瑋姗市議(民進党)は「台湾は民主主義と人権の灯台であり、中共の暴行を断じて許容することはできない。議案は党派を超えた全面的な支持を得ている」と語った。

4日には、台南市議会でも臓器狩り対処決議を採択した。臓器狩りを人道に反する行為として厳しく非難することや「生体臓器収奪の阻止と撲滅に関する世界宣言」を支持し、各国で臓器狩りに対する刑事立法を推進することなどを市政府に求めた。

李宗霖市議(民進党)は、文明社会のなかで臓器狩りなどあってはならないことだと強調し、明確な法律を設けて問題を防止する必要があると指摘した。賛成多数で通過した同法案は市長の支持も得ている。

許智杰氏、郭国文氏、張廖万堅氏ら複数の台湾の立法委員(国会議員に相当)が昨年末に記者会見を開き、「臓器摘出と臓器売買の防止法案」の制定を呼びかけ、国際社会に臓器狩りの暴挙を直ちに阻止するための連帯を求めた。会見では米英日韓の議員や人権活動家ら20人が言葉を寄せた。

強制臓器収奪、いわゆる「臓器狩り」は、中国国内で共産党や司法、病院、公安などが組織的に行う臓器移植ビジネス。無実の囚人が臓器を強制摘出され移植用臓器に用いられているとの報告が、人権団体や医療機関などからこの十数年あまりで相次いでいる。2021年6月には国連人権調査官が懸念すべき人道事案として第三者委員会の調査受け入れを求めたが、中国当局は拒絶している。

日本や台湾など他国の移植希望患者が中国で手術を受けることによって、中国側やブローカーに莫大な利益がもたらされる。このため前出の世界宣言では、強制臓器摘出を阻止するには国際的な連携が不可欠だと強調されている。

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