岸田文雄首相は18日、中東3カ国歴訪の最後の訪問先となったカタールで記者会見し、各国首脳とエネルギーを含む様々な分野で協力・連携を確認したと成果を強調した。資料写真、6月、代表撮影(2023年/ロイター)

岸田首相、中東3カ国歴訪の成果強調 脱炭素技術で連携強化へ

[18日 ロイター] – 岸田文雄首相は18日、中東3カ国歴訪の最後の訪問先となったカタールで記者会見し、各国首脳とエネルギーを含む様々な分野で協力・連携を確認したと成果を強調した。日本の脱炭素技術などで湾岸諸国の産業多角化に貢献する考えを示した。

岸田首相は16日から18日にかけ、中東のサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、カタールを訪問し、各国首脳と会談した。

エネルギー分野では、グリーントランスフォーメーション(GX)推進に向けて協力することで一致。岸田首相は、サウジとUAEに対して中東地域を将来のクリーンエネルギーや重要鉱物のグローバルな供給ハブにするというビジョンを提示し、両国の賛同を得たことを明らかにした。水素・アンモニアの製造や脱炭素技術の実用化と普及に向けて連携を強化していく。

このほか、具体的な成果として、湾岸3カ国の経済・産業多角化に向けて日本のコミットメントを示せたこと、外交防衛分野で対話の機会を増やすことで合意したこと、ソフトパワーの分野で交流を深めていくことで意見の一致をみたことなどを挙げた。

岸田首相は、湾岸諸国の各国首脳と法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を堅持することの重要性、根源的な原則をしっかりと確認し合うことができたとも語った。

中国については安定的・建設的な関係構築に向けて意見交換の場を作っていきたいとし、同国が東京電力福島第1原発のALPS処理水の海洋放出について厳しい対応をとっていることについて「科学的根拠に基づいた議論を行うよう強く求めていく」と語った。

内閣改造と党役員人事については「今の時点で何も決めていない」と述べた。そのうえで、先送りできない課題に対して正面から取り組み、答えを出していくという内閣の基本姿勢に照らして人事の時期や内容について判断をしていくのが基本的な考え方だと説明した。

(杉山健太郎)

関連記事
「孔子学院?新華社?こんなものはもう退屈だろう。中国が本当に世界的なソフトパワー拡大には、モバイルゲームに焦点を当てるべきだ」中国国内メディアは最近、100億米ドル規模に達している中国ゲームの影響力の高まりに自信を見せている。当局は、ゲームコンテンツを通じて中国文化の浸透工作や、親共産主義人物の人気獲得を促進したりしている。
日本料理の「五味五色」が生む健康の秘密。陰陽五行に基づく養生観が、日本人の長寿とバランスの取れた食文化を支えています。
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。