8月7日、 5つの米主要病院は、日本の製薬大手エーザイと米バイオ医薬品大手バイオジェンが開発したアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」を処方する方針を明らかにした。写真はレカネマブのパッケージ。エーザイ提供(2023年 ロイター)

米主要病院、エーザイのアルツハイマー薬処方へ 数カ月内に

[シカゴ 7日 ロイター] – 5つの米主要病院は、日本の製薬大手エーザイと米バイオ医薬品大手バイオジェンが開発したアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」を処方する方針を明らかにした。

これらの病院では、支払いや管理に関する方針のほか、患者の観察方法などを詰めてからの処方開始となるため、来月か再来月に処方が始まることになりそうだ。

ミネソタ州ロチェスターのメイヨー・クリニックやシカゴのノースウェスタン・メモリアル、ロサンゼルスのシダーズ・サイナイの神経科医はいずれも、今後数カ月以内に同薬の処方を始めると表明。クリーブランド・クリニックとユタ州のインターマウンテン・ヘルスシステムは、まだ、処方を始めていないと説明した。

アナリストは、支払いやアルツハイマー病の診断を巡る問題が、薬の販売ペースを遅らせる要因になるとみている。

エーザイは1日の投資家向け説明会で、レカネマブの投与を受ける患者が来年3月までに1万人、2026年までに10万人になるとの見通しを示した。

同薬を投与するためには、患者は認知機能の検査を受け、この薬で治療可能なアルツハイマー病の早期段階に当たるかを確認する必要がある。

また、副作用のリスクを確かめるための遺伝子検査も受ける。加えて、脳の画像検査か髄液検査を通じて、アルツハイマー病の原因とされる物質「アミロイド・ベータ」が脳内にあることを確かめる必要もある。

専門家によれば、アミロイド・ベータの検査が処方に向けた主なハードルとなりそうだ。病院や患者は体への負担の少ない陽電子放射断層撮影(PET)検査を好むものの、メディケア(高齢者向け公的医療保険)でカバーされるのは髄液検査となっている。

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