処理水をめぐる問題で中国共産党はその邪悪な本質を露わにしている。日本はそのような政権とどう付き合うべきか、有識者に話を伺った (Photo credit should read KAZUHIRO NOGI/AFP via Getty Images)

「義のない国とは付き合うな」 日本のあるべき対中国姿勢とは

日中関係は今、かつてないほどまでに冷え込んでいる。処理水をめぐる中国当局の常軌を逸した行動は日本の国益を損ない、共産主義政権の醜悪な実態を自ら白日の下に晒している。高市早苗経済安保相は29日の会見で、WTO提訴などの対抗措置を検討していく考えを示した。

「刑務所の中に行って、あるいはヤクザが支配している国に行って商売するものなら、その時は儲かるかもしれないが、後で必ずしっぺ返しを喰らう」。こう語るのはシンクタンク「国家ビジョン研究会」代表理事の無盡滋氏だ。幕末の儒学者・横井小楠の言葉「天地の間には道理がある。仁義の国は受け入れ、不信不義の国は天地神明とともにこれを威罰す」を引用し、「多少儲かっても、正義がない国とは付き合うな」と指摘した。

無盡氏は「中国はある意味では犯罪国家で、国が全体が刑務所のような形になっている」と指摘する。日本に対するレアアースの禁輸措置や、台湾のマンゴーに対する輸入規制などを挙げ、「付き合えばむしり取られるに決まっている。目先では儲かっていても、絶対付き合わない方がいい」と語った。

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