世界の長寿者はどんなものを食べているのか?(2)

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世界の長寿者はどんなものを食べているのか?(2)

 

カカオ:カカオは美味しいだけでなく、ポリフェノール(カテキン)やメチルキサンチンなど約380種類の生理活性化合物を含んでいます。実際、カカオには緑茶や赤ワインよりも多くのフェノール類が含まれており、強力な抗酸化物質となっています。 

ポリフェノールが豊富に含まれるカカオを定期的に摂取すると、心血管疾患、高血圧、ガンのリスクが低下するという研究結果もあります。 高いポリフェノールレベルは、高密度リポタンパク質(「善玉コレステロール」、HDL)を増加させ、低密度リポタンパク質(「悪玉コレステロール」、LDL)を減少させ、血糖値と血圧を改善します。

●イタリア、サルデーニャ島

タンポポ: 緑の葉野菜の中でも、タンポポは総合的な栄養価が高く、ポリフェノールなどの抗酸化物質やビタミンA、Cを豊富に含みます。抗酸化力は、酸化ストレス(病気の原因)を減らし、細胞の老化を遅らせるため、長寿にとって重要です。

タンポポは肝臓を保護し、肝臓の解毒をサポートして、私たちを老化させ病気のリスクを高める毒素を除去するのにも最適なのです。

フェンネル(ウイキョウ茴香):インド神話やギリシャ神話では、フェンネルは長寿と不死の象徴とされています。 パセリの仲間であるフェンネルは、野菜としてもスパイスとしても使われます。 消化器系疾患の自然治癒力を高めるハーブとして知られ、病気のリスクを減らし、体内の抗酸化活性を高める抗炎症食品でもあります。 

また、善玉コレステロール(HDL)を増やし、悪玉コレステロール(LDL)の酸化を抑制することで、コレステロール値にも影響を与えます。 フェンネルにはカリウムが豊富に含まれているため、心臓血管系の維持に役立ちます。

 

長寿食:フェンネル。(D&M.CLIPs / PIXTA)

 

イワシ:イワシは小さいですが、オメガ3脂肪酸やビタミンD、セレン、ビタミンB12などの栄養素が豊富です。オメガ3の健康効果は、抗炎症作用から来るもので、心血管疾患などの病気の予防に役立ちます。 実際、オメガ3脂肪酸は、低比重リポタンパク質(悪玉コレステロール、LDL)をコントロールする一方で、高比重リポタンパク質(善玉コレステロール、HDL)を高め、心臓血管系を維持します。

●日本

海藻(かいそう:海に生える藻類総称):この多細胞の海藻には、陸上植物には見られない多くの生物活性化合物や多糖類が含まれています。 日本食と西洋食を比較した研究では、海藻の摂取がガンや心臓病などの慢性疾患の減少につながっていると報告されています。

多くの海藻は、長鎖オメガ3脂肪酸や多価不飽和脂肪酸などの健康的な脂肪酸を含み、心臓血管系を保護する効果があります。 さらに、海藻類には抗がん作用があり、エストロゲン代謝の関係から、海藻類ががん、特に閉経前の女性の乳がんのリスク低減につながるという研究結果もあります。

 

長寿食:海藻。(花咲かずなり / PIXTA)

生姜:植物栄養素が豊富な生姜は、料理に風味を加えるスパイスや調味料としてよく使われます。 しかし、生姜を摂る理由は、風味や香りだけではありません。 その薬効成分には、炎症やコレステロール、血圧を下げる働きがあるのです。 また、生姜を定期的に摂取することで、大腸がん、卵巣がん、肝臓がん、皮膚がん、乳がん、前立腺がんなど、さまざまながんのリスクが低下します。 ジンゲロール、ジンゲレノール、パラガロカテキンは生姜の主な栄養素で、健康を促進し、多くの病気を緩和し、細胞の老化プロセスさえも遅らせてくれるのです。

(つづく)