米軍の最新10機種
1947年の創設より、米国空軍は、不断に世界最先端の空中戦力を保持してきた。その地位の維持のためには、中国あるいはロシアといった競合相手の技術を、性能と火力の両面において凌駕する必要があり、機上装備の持続的なアップグレードが必須であった。
今年3月、空軍部は2593億ドルの予算要求を発表し、それは昨年度の予算を93億ドル上回るものであり、空軍と宇宙軍の近代化を推進し、変化する脅威に対応し、現行のニーズ(例えば訓練や戦時の準備等)に応え、新技術のサポートを目的としていた。
提出された予算には、72機の戦闘機(F-35A「ライトニングII」とF-15EX「イーグルII」)の資金と、次世代空中給油機に向けた初期資金が含まれている。F-35A「ライトニングII」とF-15EX「イーグルII」は、空軍が保有する最新の5機種の航空機の中で2機種を占めている。現役の空軍には282機のF-35A「ライトニングII(単発単座のステルス多用途戦闘機)」が配備され、これは299機のMQ-9A「リーパー(攻撃力を持つ無人機)」偵察機に次いで第2位であった。
米空軍の最新の30機種の航空機は、どれも平均機齢が28年を超えていない。在庫の最新2機種の航空機は、F-15EX「イーグルII(マルチロール制空戦闘機で、F-15イーグルの後継機)」戦闘/攻撃機とHH-60W「ジョリーグリーンII」ヘリコプター(新型捜索救難ヘリコプター)で、それぞれ最新鋭であり、運用開始から1年未満だ。また、他のモデルは輸送機、もしくは情報・監視・偵察・戦闘管理・指揮・制御・通信の航空機である。
以下、米空軍の最新10機種の航空機を列挙する。
1. HH-60W「ジョリーグリーンII」ヘリコプター
この名称は、ベトナム戦争時に墜落したパイロットの救出に用いられたHH-3Eヘリコプターに由来しており、その特異な緑色の色使い(ペイントスキーム)から「ジョリーグリーンジャイアント」と称されている。
この機体の導入は、米空軍が新型の戦闘捜索救難(CSAR)ヘリコプターの配備において重要な一里塚を築いたことを意味している。新しいCSARヘリコプターであるHH-60Wは、射程と耐久性が向上しており、いつでも、どこでもより安全に検索および救助活動を展開することが可能である。
HH-60Wシリーズは、現在CSARミッション(戦闘捜索救難、英語:Combat Search and Rescue)に使用されているHH-60G「ペイブホーク」よりも優れた防御システムを持っている。シコルスキー社によると、現在「60-ウィスキー」と称されているこのモデルには、内部燃料タンクの容量をほぼ倍増させる新しい燃料システムが含まれている。同時に、ホバリングパフォーマンス、航空電子機器、および武器が強化されている。
米空軍の指揮官は、空軍の救出活動がより安全なビジョンになることを表明し、私たちのチームがいつでも、どこでも、どの敵にも対抗できる準備ができていると強調した。
2022年時点の平均機齢:0.39歳
現役機数:13機
現役空軍:13機
空軍国民警備隊および空軍予備隊:0機
タイプ:ヘリコプター
2. F-15EX「イーグルII」戦闘機
新型「イーグル」F-15EX戦闘機は、ステルス戦闘機ではないが、ステルス戦闘機と非常に似ており、実戦においてこのステルス性が非常に役立つ可能性がある。ステルス性能以外で、F-35を凌駕する空戦性能や武器搭載量、加速、マッハ2.5の最高速度など(F-35はマッハ1.6)と、第5世代の戦闘機に対して、第4.5世代ではあるが、使い方や組み合わせによっては、強力な戦闘機であると認知されている。
2022年時点での平均機齡:0.50歳
現役機数:2機
現役空軍:2機
空軍国民警備隊および空軍予備隊:0
タイプ:戦闘機/攻撃機
約10年前、米空軍はボーイング社に数百機の新型F-15EX「イーグルII型(Eagle II)」戦闘機の製造を依頼した。これは50年前のクラシックな戦闘機、F-15「イーグル」のアップグレード版である。
日本の航空自衛隊にF-15EXの購入予定はないが、現行のF-15J(Cタイプ)の改造が予定され、それには F-15EXの基本性能が参考にされると考えられている。
3. KC-46A「ペガサス」空中給油機
2022年時点での平均機齢:1.48歳
現役機数:48機
現役空軍:29機
空軍国民警備隊および空軍予備役:19機
タイプ:給油機
4. AC-130J「ゴーストライダー」砲艦機
AC-130J「ゴーストライダー(C-130輸送機を母体とする「ガンシップ」と呼ばれる対地攻撃機)」は、米空軍の最先端の特殊作戦用航空機である。C-130は分あたり数千発の弾幕「弾幕雨」を生み出すだけでなく、最新型のミサイルや精密誘導爆弾を発射・投下することもでき、その姿は「天使の翼を持つ空の戦艦」「死の天使」と讃えられている。
2022年時点での平均機齢:3.94歳
現役機数:24機
現役空軍:24機
空軍国民警備隊および空軍予備役:0
タイプ:特殊作戦部隊
5.F-35A「ライトニングII」ステルス戦闘機
第5世代の制空戦闘機、マルチロール機であり、今のところ、優れたステルス性能により、発見されるまえに攻撃できるという究極の優位性を持つ。
2022年時点での平均機齢:4.34歳
現役機数:302機
現役空軍:282機
空軍国民警備隊および空軍予備役:20機
タイプ:戦闘機/攻撃機
6. P-9A
短距離離着陸能力により、空軍の任務に独特に適し、空中海面監視、遠隔測定記録および中継に適する。
2022年時点での平均機齢:5.00歳
現役機数:3機
現役空軍:3機
空軍国民警備隊および空軍予備役:0
タイプ:情報、監視と偵察、戦闘管理、指揮、制御、通信
7. HC-130J「コンバットキングII」
C-130J ハーキュリーズ輸送機の航続距離を拡張したバージョン。その任務は、空軍降下、空輸、ヘリコプター空対空給油、および前線地上給油任務を含む、遠征用の全天候型人員回収作戦のため、厳しい離着陸環境の飛行場および立ち入り禁止となった領土への戦闘員指揮官指示の回収作戦を実行するために迅速に展開することなど。
HC-130J「コンバットキングII(Combat King II)」は、HH-60G「パブ・ホーク」ヘリコプターに対して空中給油を行う能力を有しており、これによって戦闘捜索救難ヘリコプターの飛行範囲が拡大される。
2022年時点の平均機齢:5.23歳
現役機数:37機
現役空軍:19機
空軍国民警備隊および空軍予備役:18機
タイプ:給油機
8.C-37B「ガルフストリームV」公務機
C-37AはガルフストリームVの軍用バージョンであり、C-37Bは上級指導者や高官に世界規模の空輸を提供するガルフストリーム550航空機の軍用バージョンである。C-37Bは、ガルフストリームG550ビジネスジェットの軍用バージョンであり、米副大統領を含むVIPの輸送に用いられ、かつて「エアフォースツー」とも称されていた。
日本の海上保安庁では2機を採用し、捜索機「うみわし」[1]として用いられている。
2022年時点の平均機齢:5.59歳
現役機数:7機
現役空軍:7機
空軍国民警備隊および空軍予備役:0機
タイプ:輸送機
9.MC-130J「コマンドーII」特殊部隊支援輸送機
MC-130J「コマンドーII」は、多任務能力を有する特殊作戦航空機であり、通常のC-130Jと比較して、高精度地形追従レーダー、ナビゲーションシステム、電子戦装置などの電子機器を装備している。夜間や複雑な気象条件下での敵地深入り作戦をサポートするため、MC-130Jは改修を通じて給油モジュールを追加し、ヘリコプターや戦闘機に対して優れた低速飛行性能を利用した空中給油サービスを提供できる。
2022年時点の平均機齢:5.89歳
現役機数:46機
現役空軍:46機
空軍国民警備隊および空軍予備役:0機
タイプ:特殊作戦航空機
10.MQ-9A「リーパー」
MQ-9A「リーパー」は、世界初の武装無人機であり、長時間の高高度偵察ミッションを実施することを目的として設計されている。
2022年時点の平均機齢:6.05歳
現役機数:323機
現役空軍:299機
空軍国民警備隊および空軍予備役:24機
タイプ:情報収集、監視、偵察、戦闘管制、指揮、制御、通信