中国とフィリピンは10月22日、領有権を巡り対立する南シナ海で中国船がフィリピン補給船の進路を妨害し、衝突が起きたことを巡り非難の応酬を繰り広げた。写真はフィリピンが南沙(英語名スプラトリー)諸島の一部であるセカンド・トーマス礁の領有権を主張するため、1999年に意図的に座礁させた軍艦「シエラマドレ」号。2014年3月撮影(2023年 ロイター/Erik De Castro)

中国船、南シナ海でフィリピン船と衝突 非難の応酬

[北京/マニラ 22日 ロイター] – 中国とフィリピンは22日、領有権を巡り対立する南シナ海中国船がフィリピン補給船の進路を妨害し、衝突が起きたことを巡り非難の応酬を繰り広げた。

フィリピンは南沙(英語名スプラトリー)諸島の一部であるセカンド・トーマス礁の領有権を主張するため、1999年に意図的に軍艦を座礁させた。中国はフィリピンによる同艦への補給任務を繰り返し妨害している。

中国海警局は22日の衝突について、フィリピン船が軍艦に「違法な建設資材」を運ぶのを「合法的に」阻止していた海警局の船1隻がフィリピン船と「軽く衝突」したと説明した。

フィリピン側は中国船の「危険な妨害行為」に対する「最も強い」非難を表明。中国船の「挑発的で無責任な違法行動」はフィリピンの主権と管轄権を侵害するものだとし、フィリピン船乗組員の安全を危険にさらしたと述べた。

中国海警局はフィリピン船が繰り返し警告を無視して中国船の船首付近を横切り「故意にトラブルを挑発」して衝突を引き起こしたとした。

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