7月23日、南シナ海のスカボロー礁(Scarborough Shoal)周辺で、中国とフィリピンの間に再び衝突が生じた。フィリピン政府は、中国海警船が燃料補助や食料パックの配布任務に当たっていた同国の船に対し放水したと発表した。
当時、ASEAN(東南アジア諸国連合)の外相会議がマニラで開かれており、中国の王毅外相も出席していた。
フィリピン沿岸警備隊によると、現地時間の23日午前5時54分、中国海警船(船番号3302)がフィリピン漁業水産資源局の船「ダトゥ・ドゥマンヒル号」に接近し、一時はおよそ50メートルの距離まで近づいた。
その後、午前6時29分、中国側の船は放水を開始し、放水は2分以上続いた。水はフィリピン船に間接的に当たったとしている。
当時、フィリピン側の船は現地の漁民に対し、燃料補助や食料パックを配布していた。
フィリピン沿岸警備隊の報道官は、「これらの行為は国際海上衝突予防規則に違反し、人道的任務に当たっている人員を危険にさらすものだ」としている。
フィリピン側によると、この事案によるけが人は確認されておらず、船は任務を継続し、同日中に配布を終えたという。
一方、中国海警局は声明で、フィリピンの船2隻が警告を無視して周辺海域に侵入したと主張した。そのうえで、追跡や阻止などの措置を取り退去させたとし、一連の対応は「規範に沿い、専門的かつ合法」であるとしている。
さらにフィリピン側に対し、挑発的な行動を直ちに停止するよう求めた。
南シナ海では今週に入り、両国の間で同様の事案が相次いでいる。これに先立ち、セカンド・トーマス礁周辺でも両国の船が接触し、双方が抗議を行っていた。
ASEAN会議の合間に行われた会談では、中国とフィリピンの外相がこの問題をめぐり意見を交わした。フィリピンのラザロ外相は、中国側の対応について「受け入れられない行為だ」として抗議した。
また、中国の国営メディアが過去にフィリピン人を侮辱的に描いた動画を公開したことについても批判した。
これに対し中国の王毅外相は、フィリピンが外部勢力の支援を受けて中国を挑発するのであれば「その結果を自ら負うことになる」と述べた。
スカボロー礁はフィリピン西部からおよそ357キロに位置し、同国の排他的経済水域内にあるとされるが、2012年以降、中国が実効支配している。
2016年の仲裁裁判では、フィリピンの漁民に伝統的な漁業権があると認定され、「九段線」に基づく中国の主張は否定されたが、中国はこの裁定を受け入れていない。
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