10月24日、岸田文雄首相は衆院代表質問で、2024年秋に健康保険証をマイナンバーカードと一体化する計画について、「さらなる期間が必要と判断されるなら必要な対応を行う」と述べた。2021年10月代表撮影(2023年 ロイター)

来秋のマイナ保険証移行、「さらなる期間必要なら対応」と首相 衆院代表質問

[東京 24日 ロイター] – 岸田文雄首相は24日の衆院本会議で、2024年秋に健康保険証をマイナンバーカードと一体化する計画について「さらなる期間が必要と判断されるなら必要な対応を行う」と述べた。立憲民主党の泉健太代表への答弁。

国会ではこの日、23日に行われた岸田首相の所信表明演説に対する各党の代表質問が始まった。

岸田首相は、日本経済に30年来のデフレを脱却する「千載一遇のチャンス」が訪れているとする一方、足元で賃上げが物価上昇に追いついていないため、「放置すれば再びデフレに戻りかねない」との懸念を表明した。

策定中の経済対策でガソリンや電気・ガス代の激変緩和措置を来春まで継続する理由については、賃上げが物価上昇に追いつくまで政府による支援が必要だと説明。激変緩和措置によるガソリン価格の下押しは1リットルあたり35円で、野党が求めるガソリン税の一部を軽減するトリガー条項による押し下げ25円を上回るとも述べた。

4─6月に日本経済の需要不足を示す需給ギャップがプラスに転じたのを踏まえ、経済対策はいたずらに規模を求めないと指摘する一方、成長力に資する分野は厳選して支援すると強調した。

泉氏は物価上昇局面では財政出動がインフレを助長しかえって消費を冷やすと指摘したが、首相は「経済対策がインフレを加速することがないよう適切に対応する」と回答した。

自民党の稲田朋美議員は、経済財政運営に関連してアベノミクスの評価などを質問した。

岸田首相はアベノミクスについて「デフレでない状況を作り出し、GDPを高め、雇用を拡大した」と評価。岸田政権では「アベノミクスの成果の上に、持続的な賃上げや活発な投資がけん引する成長型経済への変革を果たすため、思い切った取り組みを講じていく」と語った。

経済財政運営については「有事に十分耐えられる財政基盤を平時より備えることは不可欠」であり、「経済再生と財政健全化の両立に取り組む」と語った。

立憲民主党の吉田はるみ議員は、大阪万博の予算倍増問題、旧ジャニーズ事務所での性加害問題、子ども・子育て政策、細田博之前衆院議長の発言などについて、政府の考えや取り組みを質した。

岸田首相は細田氏の発言に関し「一般論として申し上げれば、名乗り出る人がいなければセクハラはないという考え方は適切ではない」との考えを示した。

細田氏は13日の記者会見で、健康問題を理由に衆院議長の辞任を表明。週刊誌などが指摘してきた自身のセクハラ疑惑について、被害者がセクハラを受けたと名乗り出て初めてMeTooが成立する、という趣旨の発言をしていた。

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